新しいヒト肥満成因とその治療に関する研究:熱産生機構の異常と新β_3受容体刺激剤
Project/Area Number |
02671105
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 俊秀 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60079770)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 褐色脂肪組識 / 単純性肥満 / 過食性肥満 / 代謝性肥満 / カフェイン / resting metabolic rate / β_3受容体刺激剤 / 熱産生機構異常 |
Research Abstract |
最近の肥満努物を用いた研究により、過食がなくても肥満させる原因として熱産生臓器である褐色脂肪組識(BAT)の機能低下が注目されている。しかし、ヒトでこの機序を介する代謝性肥満者が存在するのかどうかに関しては、現在不明である。そこで今回我々は、単純性肥満者の治療前にカフェイン(BAT機能亢進を介して全身代謝を活性化させる)負荷テストを行い、resting metabolic rate(RMR)を測定することにより、肥満者を過食性と代謝性とに分類可能かどうか。又、これら両群にて治療法を変える必要があるのかどうかを明確にするため以下の検討を行った。 【方法】対象は当内科肥満外来を受診した単純性肥満女性107名(年齢45.1才1.5才、体重66.5±1.0kg、BMI27.6±0.4)である。まず早朝空腹時に、4mg/kgのカフェイン経口負荷テストを行い、負荷前と負荷30分後にRMRを測定し、カフェイン負荷後RMRが増加したresponder群と、RMRが増加しなかったnonーresponder群とに分類した。その後、減量食1,200kcalと運動療法の指導を行い、2カ月間外来にて体重、皮下脂肪厚の測定。治療前後に75g・OGTTにて血糖・血清インスリン値測定。又、血中脂質・ケトン体も測定。 【結果】これら単純性肥満者のカフェイン負荷テストでは、responder群が107名中84名(78.5%)、nonーresponder群が23名(21.5%)いた。治療後は、nonーresponder群にて体重、BMI、体脂肪率が減少しなかったのに対し、responder群では1カ月後よりいずれも有意に減少した。75g・OGTTでもresponder群では高血糖・高インスリン血症の是正、又、血中脂質の低下とケトン体の増加をみたが、nonーresponder群では変化しなかった。 【結論】以上の研究より、単純性肥満者はカフェイン負荷テストにて過食性肥満と代謝性肥満とに分類できる可能性と、後者の治療には、β_3受容体刺激剤等の代謝活性物質併用療法が必要であることが明確となった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(13 results)