Project/Area Number |
02671128
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米沢 毅 大阪大学, 医学部, 講師 (50028560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉置 俊治 大阪大学, 医学部, 助手 (00163668)
金山 良男 大阪大学, 医学部, 助手 (30158852)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | Bリンパ球 / 糖鎖 / 細胞接着 / 糖転移酵素阻害剤 / シアル酸 |
Research Abstract |
細胞膜の機能蛋白の多くはNグリコシド型糖鎖を持つ糖蛋白であるが膜糖鎖の生理的意義を含めその詳細は未だ明らかではない。Bリンパ球分化における糖鎖の意義を明らかにするため、正常人末梢血単核球のStaphylococcus aureus Cowan I (SAC)培養系にカスタノスペルミン (CSP;糖蛋白の細胞内プロセシングの最初期に働くglucosidaseの阻害剤)を添加したところ、本薬剤が免疫グロブリン(Ig)分泌細胞数を増加させることを見いだし、さらにこの現象がB細胞の表面膜蛋白糖鎖組成の変異によるT細胞由来液性因子に対する反応性の亢進に由来することを明らかにした(Karasuno,T.et al,Scand J lmmunol 32,529ー536,1990)。この成積はB細胞表面糖鎖が、B細胞分化過程でサイトカイン受容体機能に重要な役割を果たしていることを示すものである。一方、この薬剤はpokeweed mitogen (PWM)培養系ではB細胞の分化を抑制しIg分泌細胞数は著しく減少した。同一の阻害剤が培養系によってこのように異なった効果を及ぼす原因は、両培養系の分化機構の差、すなわちPWM培養系ではSAC培養系と異なり、培養初期にT細胞、B細胞の接着が必須であることに基づいていると考えられる。そこで、CSPで前処理したT、B細胞と未処理B、T細胞との交差培養により、細胞間接着に対する影響を蛍光標識法で検討したところ、B細胞を処理したときに限り著しく接着が抑制されていることを明らかにした。また、細胞をスワンソニン(mannosidase阻害剤)、シアリダ-ゼで処理しても細胞接着はCSPと同様に抑制されたことから、このような抑制効果は、糖鎖構造の変異そのものよりもむしろ糖鎖末端のシアル酸の有無によって主として規定されていることが示唆された(Karasuno,T.et al,submitted)。本研究を通じてB細胞の細胞表面糖鎖、特にシアル酸がT・B細胞相互作用にも重要な役割を演じていることが明らかになった。
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