GーCSF及びGMーCSF受容体を介する刺激伝達機構の解折と臨床的意義
Project/Area Number |
02671133
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
北川 誠一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50133278)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | GーCSF / GMーCSF / 好中球 / ス-パ-オキシド / 再生不良貧血 / 骨髄異形成症候群 |
Research Abstract |
好中球機能に及ぼす顆粒球コロニ-刺激因子(GーCSF)と顆粒球・マクロファ-ジコロニ-刺激因子(GMーCSF)の作用を比較、解折した。GーCSF及びGMーCSFは、共にヒト好中球に作用して補体(C3bi)受容体の膜上への発現を増加させ、粘着能を亢進させた。また、遊走因子により誘導される好中球のス-パ-オキシド産生及び膜脱分極反応を亢進させた。GMーCSFはさらに直接好中球に作用してス-パ-オキシド産生を誘導し、この作用はサイクリックAMP及び微細線維を破壊するサイトカラシンBにより阻害された。GーCSFには直接好中球に作用してス-パ-オキシド産生を誘導する作用はなかった。糖鎖を有さないGMーCSFが糖鎖を有するGMーCSFより比活性が高かった。一方、GーCSFは糖鎖の影響を受けなかった。好中球に対する作用は、調べた全てのパラメ-タ-においてGMーCSFがGーCSFよりも強力であった。至適濃度のGーCSFと低濃度のGMーCSFを併用すると相加効果が得られたが、至適濃度のGーCSFと至適濃度のGMーCSFを併用するとGMーCSFのみの効果が発現した。これらの結果は、GーCSF受容体とGMーCSF受容体を介する刺激伝達機構が互に極めて類以しているとともに明らかに異なる機構も存在していることを示している。これらの基礎的実験結果をもとにして、再生不良性貧血及び骨髄異形成症候群患者の末梢血好中球に及ぼすGーCSF及びGMーCSFのin vitro 作用を比較して、解折した。再生不良性貧血では13例中5例、骨髄異形成症候群では14例中5例においてGーCSFの作用が認められなかった。一方、GMーCSFによる好中球機能亢進作用は全例において認められ、個々の症例においてもGMーCSFの作用がGーCSFよりも強力であった。今後、臨床応用を通じて、個々の症例におけるより適切な投与計画の確立が必要と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)