蛍光増白布の光照射による白度変化に対する水分の影響

• Project/Area Number: 02680050
• Research Category: Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
• Allocation Type: Single-year Grants
• Research Field: 家政学
• Research Institution: Tokyo Gakugei University
• Principal Investigator: 生野 晴美 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (80110732)
• Project Period (FY): 1990
• Project Status: Completed (Fiscal Year 1990)
• Budget Amount: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000); Fiscal Year 1990: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
• Keywords: クマリン系蛍光増白剤 / 水分 / 光退色

Research Abstract

クマリン系蛍光増白剤/アセテ-トの最高視感白度の増白布を、水蒸気圧0mmHgまたは30mmHgに調整した露光管に封入し、密封状態でフェ-ドテスタに装着して、300nm以上のキセノン光を照射した。蛍光スペクトル、CIE系の色度指数(a^*、b^*)を測定し、ホワイトスケ-ルを用いて視感白度を判定し、光照射による増白布の白度変化を経時的に追跡した。白度変化に対する環境湿度の影響を調べ、以下の結果を得た。
1.最高視感白度布は、蛍光強度340mV、CIE系のb^*値ー20.0、視感白度12を示し、クマリン系蛍光増白剤はアセテ-トに対してきわめて高い増白効果を示した。。
2.しかし、光照射による白度低下は、スチルベン系蛍光増白剤による綿増白布の約3倍早く、10時間以上の露光では、白度低下にとどまらず、未増白原布よりさらに黄色味をまし、著しい黄化現象をおこした。
3.水蒸気圧0mmHg条件下の光照射による白度低下は、水蒸気圧30mmHg条件下の約2倍であり、環境及び布に含まれる水分は、白度低下を抑制した。
4.クマリン系蛍光増白剤の光退色については、すでに報告されている二量化反応のほかに、光酸化または光還元反応が考えられ、これらの反応速度に水が影響を与えていることが推定される。