Project/Area Number |
02680146
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物質生物化学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小池 智 東京都臨床医学総合研究所, 微生物研究部門, 研究員 (30195630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野本 明男 東京都臨床医学総合研究所, 微生物研究部門, 部長 (70112670)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ポリオウイルス / レセプタ- |
Research Abstract |
1.ポリオウイルスレセプタ-(PVR)は3つの免疫グロブリン様ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞質ドメインから成っている膜タンパク質である。これらのドメインの一部を欠失もしくは改変してマウスL細胞で発現させ、細胞のウイルス感受性、ウイルスもしくは抗PVR抗体との反応性を調べた。 (1).細胞外ドメインの改変:ヒトPVRの3つのIg様ドメインのうちN末端側のドメイン(ドメイン1)を欠失するとウイルス感受性、ウイルスあるいは抗PVR抗体D171との結合性が失われた。又ドメイン1のみを持つレセプタ-は活性を有していた。したがってこのドメインがウイルスとの結合に関与していることが明らかになった。ヒトPVRのドメイン1には2つのNーglycosylation部位が存在したがサルPVRでは存在しなかった。サルPVRのドメイン1をのみを発現させても活性を有していたことからウイルスはPVRドメイン1のタンパク質部分を認識していると思われる。 (2).細胞質ドメインの改変:このドメインを欠失した変異体PVRはレセプタ-として機能した。したがってこのドメインはウイルス感染に必要な機能を持っていないと結論された。 (3).膜貫通ドメインの改変:このドメインを欠失するとPVRは細胞膜表面上にとどまれなくなる。しかしこの部分をCD4やヒトインスリンレセプタ-の膜貫通ドメインと入れ換えたキメラPVRはPVRとして機能することが出来た。したがってこのドメインはPVRを膜上にとどまらせるためには重要であるが、それ以外の機能はないと考えられる。したがって現在までのところウイルスを細胞内に侵入させる機能を持つ部位は同定されていない。 2.バキュロウイルス発現系を用いてPVRの細胞外ドメインを発現させた。この可溶性PVRとウイルスを反応させるとウイルスは脱殻と同様な構造変化を起こし感染性を失った。したがってPVRはウイルスの吸着のみ成らず脱殻の過程においても中心的な役割を果たしていると結論された。
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