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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
車軸藻節間細胞を遠心し、原形質を細胞の一端に集めて取り出す。MgーATP,EGTAを含む溶液中で、原形質中に含まれるモ-タ-蛋白質ミオシンは運動活性を保持している。in vitro motility assayにより、蛍光標織したウサギ骨格筋アクチン線維を約20μm/sと筋肉ミオシンの数倍速い滑り運動を起すことがわかった。このin vitro 運動活性により、種々条件下で運動特性を調べたところ、Ca^<++>添加で可逆的に運動が阻止される。ところが、αーsーATP存在下ではCa^<++>添加で不可逆に運動は停止したまゝであった。この事は、車軸藻ミオシン或はその制御蛋白質のリン酸化が活性を制御していることを示唆する。 in vitro運動特性を手がかりに、車軸藻ミオシンの単離精製を試みた。原形質粗抽出液の遠心上清に筋肉アクチンを加え結合性を調べたところ、SDSーPAGEから200ー,175ー,105KDaのバンドが濃くなり、これらポリペプチドが一応候補と考えられた。硫安分画や,DEAE,ゲルろ過等のカラム精製では、何れも運動活性が失われ、それ以上の精製を進めることが出来なかった。アンチ・パン・ミオシン抗体によるウェスタン・ブロットも上記3本の他145,135kDaとも共に弱く反応したため、どのポリペプチドがミオシンか確定出来ず、今後に問題を残したままとなった。 蛋白質分解酵素による限定分解で、特定の場所に切断の入った筋肉アクチンを用いて、in vitro運動解析を行ったところ、筋肉ミオシンでは運動性が強く阻害されるにも拘らず、車軸藻ミオシンは未切断アクチンとほゞ同じ速度の運動活性を示した。この事実は、車軸藻ミオシンが筋肉ミオシンと可成り性質を異にするミオシンであることを示す。
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