Project/Area Number |
02680214
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子遺伝学・分子生理学
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
加納 康正 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (50093399)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | HU蛋白質 / IHF / oriCプラスミド / 核様体 / mioC遺伝子 / DNA複製 / 大腸菌 |
Research Abstract |
大腸菌の核様体構成蛋白質HUは、DNAと非特異的に結合することによって、DNAを湾曲ないしはル-プ化して離れたDNA部位同士を接近させたり、DNAの負の超コイルを吸収して近傍のDNA超コイル密度を調節したりすることによって、DNAが都合良く機能を発揮できるようにDNA高次構造を変えるタンパク質であると考えられている。試験管内実験から、HUは大腸菌の染色体複製起点oriCからDNA複製開始反応の促進や、DNAの逆転のための組換え反応、トランスポ-ゾンDNAの転移反応などに必須に要求されることなどが知られている。我々はこれまでに、細胞内でも実際にHUが、F因子の複製、Muファ-ジの転移反応、Hinグル-プやシャフロンのDNA逆転反応等に必須に要求されることを明らかにしてきたが、oriCからの複製開始機構にHUが関与する証拠を得ることができなかった。しかし今回の我々の研究によって、HU蛋白質と構造がきわめてよく似た蛋白質であるインテグレ-ション・ホストファクタ-(IHF)が、oriCからのDNA複製開始においてHU機能を代償するために、oriCを複製起点として持っているプラスミド(oriCプラスミド)は、HU欠失変異株でもIHF欠失変異株でも複製が可能であるが、HUとIHFの両方が欠失した変異株では複製ができないこと、つまり、HUあるいはIHFがoriCからの複製に必須であることが明らかになった。また、oriC領域の上流にあるmioC遺伝子の転写量が正常よりも多いかまたは転写が無い時には、oriCからのDNA複製開始にIHFが必須であること、つまりIHFが、異常な転写量のためや転写が起こらないために生じるDNAの異常な高次構造を複製に都合のよい高次構造に変えることが示唆された。
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