蛋白質の溶液構造決定法の開発とペプチド性成長因子(IGFー1)への応用
Project/Area Number |
02680220
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物物性学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 祐次 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (20127228)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | インシュリン様成長因子 / ソマトメジンC / NMR / ディスタンスジオメトリ-法 / 超遠心分析装置のオンライン化 / 三次元構造 |
Research Abstract |
我々は、70残基のアミノ酸よりなるヒトのインスリン様成長因子IGFーI(ソマトメジンC)の溶液中での構造解析をNMRとディスタンスジオメトリ-法を併用することにより行ってきた。 ^1HーNMRを用いた解析を行っていく過程でこの分子は“やわらかい"構造をとり、ヘリックス構造の存在は示唆されるがβーシ-ト構造などは見られないことが分った。そこで、本研究所では ^1HーNMRのみでなく、 ^<13>Cや ^<15>N核といったNMRに活性である安定同位元素を用いてIGFーIをラベルし、種々の異核相関二次元NMR法を用いて、 ^1HーNMRを三次元に展開しようと試みた。共同研究者である丹羽らはすでに大腸菌を用いる融合蛋白質法によるIGFーIの大量産出系を確立していたので、栄養源として ^<15>NH_4Clと ^<13>Cエンリッチグルコ-スを用いて、蛋白質の同位体ラベルを得ようとした。しかしこのような無機塩類のみを用いた培養系では、いままで用いてきた保護ペプチド遺伝子を継いだ大腸菌中でのIGFーI遺伝子の発現は極端に低下し、また可溶画分が容易には得られなかった。NMRを用いた構造解析には蛋白質が単量体として単分散と存在することが前提であるため、得られた大溶画分を可溶化する条件を探した。その目的のため、分子量分布の測定が必要となり超遠心分析法の改善につとめ、装置をコンピュ-タとオンライン化した。解析プログラムやその他周辺機器の整備を行い、世界で初めて広い依存域(5mg/mlー30mg/ml)での分子量解析のシステムを確立できた。このシステムは、今後多くの方面で、用が期待される。IGFーIの構造確定に関しては同位体ラベルを待つ間に ^1HーNMRでの解析をさらに進め、種々のパルス系列を援用することにより、世界にさきがけて ^1HーNMRのみでその三次元構造を提出した。同位体ラベルについては今後も研究を続け、IGFーIがリセプタ-との相互作用をする状態での構造解析し利用しようと目論んでいる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)