語用論の観点からの言語発達障害児と大人との相互作用・会話の分析
Project/Area Number |
02801034
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大井 学 金沢大学, 教育学部, 助教授 (70116911)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1990: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 言語発達の障害 / 相互作用 / ビデオ・テ-プ・アナリシス / 語用論 / 大人の応答 / 要求伝達 |
Research Abstract |
重度精神遅滞、言語発達遅滞、自閉症とその近縁障害を示す者10名につき、保母、実習生との相互作用または会話について分析した。何らかの言語伝達がみられたのは自閉症児1名で、この場合も主に非言語伝達に依存していた。学齢児は重度精神遅滞児2名で残りは2歳から4歳までの幼児である。分析は研究代表者及び子供とかかわった大人とで3カ月以内に少なくとも3回以上行われた。相互作用場面のビデオ記録及びその文字転写資料を利用した。かかわった大人は分析結果を考慮して相互作用または会話における行動を修正するよう試み、それが子供の伝達行動に与える影響について縦断的に検討した。分析の目的が子供からの伝達の促進及び洗練にあることは予め大人に伝えられた。分析の焦点となる場面や促進されるべき伝達技能はそれぞれ大人の申告によって決定された。申告された伝達はすべて子供からの要求であった。それに対する大人の伝達行動の共通特徴は子供の要求伝達の目標を直ちに実現するか、もしくは両手を合わせるなどの要求身ぶりを子供の伝達方法とは無関係に誘発しようとするかであった。修正目標は障害の性格によって異なった。 重度精神遅滞児の非言語要求伝達を大人が模倣するよう求めた。これが受け入れられた場合は伝達における視線接触が拡大し、大人の身ぶりを模倣することがみられた。言語発達遅滞児については要求対象をリ-チング等示す身ぶりを用いるよう大人に求めた。その場合は視線が合うようになり、ハンドリフトをやめて間接的な表現に移行したが、慣習的身ぶりを誘発しようとした場合は伝達が中断した。自閉症児などについては要求伝達に対する音調、姿勢の変化、視線や表情など社会的な反応を大人に求めた。この場合は大人の姿勢、位置などを変えよとする直接表現が減少し、視線、表情に依存するようになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)