Project/Area Number |
02801045
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
西山 良平 京都市立芸術大学, 美術学部, 講師 (30135503)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 都市 / 文化 / 環境 / 家族 / 死 / 色好み / 王権 |
Research Abstract |
平安中期(九世紀後半から十一世紀中頃まで)の都市京都の特質を文化史的・社会史的に把握するのを目的に,都市の「未開な」社会構造と都市的な文化現象の相関の解明に努力した。まず、中世以前の都市京都では、死体が遺棄され糞尿も垂れ流されており、中世末・近世初頭以後と比較して、その環境は大きく相違していたと想定し、犬がその浄化を担当していたと位置づけた(「中世以前の京都ー都市の生態学」)。また、下女や「孤住」の翁など,都市の下層住民は「家族の破片」しか構成しえず、そのため死体ばかりか、病者・嬰児が路頭に遺棄され、孤児が不断に発生していた事実を発掘した。これは、都市の社会的機能がいちじるしく弱体なためで、そこに平安中期の都市京都の特徴がある。また、病者や、とくに嬰児の遺棄は〈死〉を意味しており、近代とそれ以前の生命観は根底的に異質と判断した(「〈王朝都市〉の病者と孤児」)。当初は、女性の文化現象として、すでに発表した《女性の穢れ》と対比して、「色好み」を究明する予定であったが、これは1991年7月を完成の予定に検討を行なっている。単純な「好色」とは相違し、都市的な「みやび」と相即的な「色好み」は九世紀中葉に発生し、そこには反王権=反身分制という深刻な政治史的意味を見出しうると予想している。なお、これと平行して、都市京都と周辺農村の通関を解明し、都市の政治権力が周辺農村に不可避的に下級宮人を再生産し、それが反転して都市権力に対立し、これが律会制国家の変容の主要な要因であると把握した(「平安京と周辺農村」)。さらに、これらの研究の基礎として、平安中期の社会史・文化史の基礎史科の収集・閲覧に大いに努力した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)