電子ラマン散乱及び変調分光法による酸化物超伝導体の超伝導ギャップの研究
Project/Area Number |
02804014
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山中 明生 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (30182570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 不二雄 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (30200083)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 電子ラマン散乱 / 変調分光法 / 酸化物超伝導体 / 超伝導ギャップ |
Research Abstract |
電子ラマン散乱及び変調分光法により酸化物超伝導体の超伝導ギャップ及び常伝導相における電子状態の性質をいくつか明らかにすることが出来た。そのうち多くは論文として投稿中または準備中である。以下に具体的な成果を記する。 1.Bi系超伝導体単結晶のab面からの電子ラマン散乱スペクトルを広い温度範囲にわたって測定した。その結果散乱強度の再分布が超伝導相で生じることを確認した。説伝導相で観測されるブロ-ドなピ-クのエネルギ-の温度変化を精密に測定した結果、相対的温度変化が超伝導ギャップの温度変化を反映していることが明かとなった。この温度変化はBCS理論からの予想とは一致せず、強結合理論の可能性を示唆しているものと考えられる。 2.Bi系超伝導体においてc軸方向の偏光成分を持つ電子ラマン散乱を初めて観測した。電子ラマンスペクトルは著しい異方性を示し、これは酸化物超伝導体の電子構造の異方性を反映したものと考えられる。 3.NdーCe系超伝導体単結晶のab面及びac面からの電子ラマン散乱スペクトルを観測し、Bi系と同様に電子構造の異方性を見いだした。超伝導ギャップの観測に関しては今後の課題である。 4.変調分光法をBi系、Y系等の超伝導体の適応してみた。その結果超伝導ギャップの大きさを測定するにはそれほど適当な方法とは言えないことがわかった。しかし超伝導相でも信号が観測されることから、超伝導状態の動的性質を解明するには優れた方法と考えられる。しかしこの様な研究には技術的に工夫が必要になると思われる。 5.研究課題に直接関係しないが東北大学との共同研究として角度分解逆光電子分光実験をBi系超伝導体単結晶について行い、常伝導相において2本のバンドがフェルミ準位を横切ることを確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)