超臨界状態における常磁性活性種の時間分解ESR研究
Project/Area Number |
02804027
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
手老 省三 東北大学, 非水溶液化学研究所, 助教授 (80111318)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | フリ-ラジカル / 高圧EPRセル / 超臨界状態 / 溶媒極性 |
Research Abstract |
フリ-ラジカルのEPRスペクトル解析から、不対電子の分子軌道の係数が容媒との相互作用によって、どのように影響を受けるか直接知ることができる。電子スペクトルからは溶媒和エネルギ-に関連する情報が得られるので、全く異質の情報を与えることが分る。本研究は、まず比較的強い溶質ー溶媒間の相互作用をもつ系についての研究を行いながら、高圧用EPRセルを製作し、これを用いた測定実験を行った。 1.ニトロキシドラジカルの不対電子軌道に対する溶媒効果 広い溶媒極性にわたって、ラジカルの不対電子分布に対する溶媒の影響を明らかにした。これらを基にBiockーWalkerのreactin fieldを用いた理論的扱いを行ない、外挿値が真空中におけるラジカルの電子構造を与えることを示した。また、プロティック溶媒では水素結合による大きな摂動があることから、特定原子の電気陰性度の変化で取り扱うことができることを明らかにした。 2.高圧用EPRセルの製作と測定システムの組み上げ 耐圧1000気圧の高圧ESRセルを、本研究費設備として購入した。超臨界状態におけるラジカルの超微細分裂定数の変化は非常に小さいことから、精密な温度制御が要求される。現有のEPRスペクトロメ-タとキャビティを用いて、製作した高圧ESRセルを組み合せ、高い精度で制御された条件下で測定を行うシステムを試作した。 3.超臨界流体中におけるニトロキシドラジカルのEPRスペクトル CO_2は低い温度で超臨界状となり、かつ、実際の応用にもよく使われるガスであることから、TEMPOーCO_2系の測定を行った。臨界界状態でEPR強度の著しい増大と線幅のブロ-ドニングがみられた。時間分解EPRを用いた短寿命活性種への応用をすすめている。電子スピン緩和時間は、分子間相互作用と分子運動を反映したパラメ-タとなる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)