ショウジョウバエにおけるミトコンドリアの増殖の制御に関する研究
Project/Area Number |
02804052
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
遺伝学
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
松浦 悦子 お茶の水女子大学, 理学部, 助手 (00111691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁木 雄三 茨城大学, 理学部, 助教授 (00134164)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / ミトコンドリア伝達 / ミトコンドリアDNA / ヘテロプラズミ- |
Research Abstract |
D・melanogasterにおいて、同種間及び異種間の生殖細胞質の移植により作成したヘテロプラズミ-では、飼育温度に依存してミトコンドリアDNA(mtDNA)の選択的な伝達が起こることを、すでに報告した。本年度は、さらにいくつかの系統・種を用いて新しくヘテロプラズミ-を作成し、19℃と25℃において、共存する2種類のmtDNAの割合の世代変化を調べた。D・melanogasterの同種間及びD・melanogasterとD・simulansまたはD・mauritiana間の組合せのいずれにおいても、mtDNAの伝達は選択的で、mtDNAの割合の変化の様子は移植の組合せと飼育温度によって異なっていた。さらに、19℃から29℃の間の4種類の温度でmtDNAの伝達を調べた結果について、遺伝子淘汰のモデルにより選択の強さの推定を試みた。選択係数は、各々の温度においては2種類のmtDNAと核ゲノムとの組合せにより異なるが、いずれの組合せでも温度に依存して増大または減少した。これらの結果より、ヘテロプラズミ-におけるmtDNAの選択的伝達は、温度依存性であることが確かめられた。モデルより、選択はミトコンドリアまたはmtDNAの増殖率の差異に基づくことが示唆され、温度依存性の因子はミトコンドリアの増殖の制御に関与していると考えられる。この現象の解明は、ミトコンドリア伝達の分子機構の理解に重要な手がかりを与えるものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)