Research Abstract |
本研究によって発明されたTb_<0,3>Dy_<0,7>Fe_<1,8>Mn_<0,2>Co_<0,2>と米国海軍地球表面兵器センタが発明したTb_<0,3>Dy_<0,7>Fe_<1,9>とのAC特性の比較検討がなされた。磁歪量(飽和値)λsは,ほぼ同等,エネルギ密度も15000〜25000J/m^3で前者が若干低値であるが大差ではない。本発明の長所は,引張強度が約10Kgf/mm^2,圧縮強度が70Kgf/mm^2,そして防錆性が高いことが明らかとなった。次に本開発材を用いてAC特性評価を実施し,以下のような結論を得た。用いた超磁歪材料は米国海軍のTDF多結晶,TDF結晶制御,FEREDYNーAB(スェ-デン,ウプサラ大学)と比較検討している。 1.Tb_<0.3>Dy_<0.7>Fe_<1.8>Mn_<0.2>Co_<0.2>超磁歪材料は,米海軍及びウプサラ大学の材料と同様に,バイアス磁界H(KG)の適当な領域で最大値をとることが明らかとなった。 2.欧米の発明超磁歪材料に対して,約20%程度大きな△E効果が得られた。この結果は,海洋探査用ソナ-等の地球表面監視用超音波デバイスに使用でき,大幅性能向上が見込まれる。 3.本発明の超磁歪材料は,予荷重(圧縮)応力α=1.0〜2.5Kgf/mm^2で,α=0の時の歪みε_0に対して,歪み比ε/ε_0は2.0〜2.5となり,ウプサラ大学のε/ε_0=1,3,米海軍ε/ε_0=1,7を上廻った。つまり本超磁歪材料は極めて大きなJump効果を持つことが明らかとなった。現在運輸省で進められている海面500Kmごとにカバ-するトモグフィ-開発(現在250Kmが限界)に寄与できると考えられる。 4.本材料による超磁歪アクチュエ-タによる微小位置決め装置を開発した結果,0、01℃までJoule熱を制御できる強制冷却システムを装備して,分解能5nmの位置決めができた。 5.プライザッハ制御の導入により,ヒステリシスを大幅に取り除いた。
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