Project/Area Number |
02805087
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業分析化学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
五十嵐 淑郎 東北大学, 工学部, 講師 (70150258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 邦男 東北大学, 工学部, 助手 (50204772)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | フッ素系界面活性剤 / pH依存相分離現象 / 新しい均一液液抽出法 / ポルフィリン化合物 / ルミノ-ル化学発光法 / 高倍率濃縮法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、炭化フッ素系界面活性剤によるpH依存相分離現象の解明とその現象を利用した高倍率濃縮法を前段に備えた光検出法を開発することにある。本年度中の成果を以下に述べる。 1.pH依存相分離現象に基づく均一液液抽出法:本現象では、フッ素系界面活性剤{パ-フルオロオクタン酸(PFOA)}、水素イオン(pH)、水溶性極性溶媒(アセトン、DMF、ジオキサン等)及び水が重要な因子になっている。pHの影響について検討した結果、PFOAイオンのプロトン付加に起因してpH<0.6で均一水溶液から水に不溶な第2相を生ずることが分かった。また、pH>1.0では、再び均一系となり、pHに依存して可逆的であった。第2相における各成分の組成は、例えば、PFOA/アセトンの系では、[PFOA]:[H_2O]:[アセトン]=1.00:6.60:4.00であった。カチオン型水溶性ポルフィリン金属錯体をはじめビタミンB_<12>、ヘモグロビン等の生体関連物質が定量的に抽出された。コプロポルフィリンIIIの抽出濃縮法について検討したところ、酸添加後20分間で一万倍濃縮できた。 2.応用例ーーールミノ-ル・過酸化水素化学発光系に対する鉄クロロフィリン錯体の濃縮・導入法:本化学発光系の触媒として働く鉄クロロフィル錯体をモデルサンプルとして選択し、ポリエチレングリコ-ルを共存させて均一液液抽出法によって錯体を濃縮した。さらに可逆的pH相分離現象を利用して均一溶液に錯体を再溶解して化学発光法によって検出できるシステムを開発した。本法による鉄クロロフィリン錯体の検量線は10^<ー8>〜10^<ー6>Mの範囲で直線であった。 以上の成果は、本抽出法が超微量計測法(化学発光法、レ-ザ-蛍光検出法、ICP法等)における試料の前段高倍率濃縮法としての可能性の一端を示すものであり、今後の発展が期待される。
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