Project/Area Number |
02805091
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学・無機材料工学
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鈴木 喬 山梨大学, 工学部, 教授 (60020385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
初鹿 敏明 山梨大学, 工学部, 講師 (50020417)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | イオン記憶イオン交換体 / 創製 / K^+イオン / Br^ーイオン / 分離採取 |
Research Abstract |
海水のように化学的に類似なイオンが多量に存在するイオン系(Na^+,Cl^ー)から価数の等しい同符号微量イオン(K^+,Br^ー)を選択的に分離採取することは容易ではない。そこで本研究において我々はK^+あるいはBr^ーイオンを選択的に採取するために,これら両イオンだけを記憶させた無機系イオン交換体を創製することを目的とした。 1.トンネル構造を有するK_2W_4O_<13>を固相反応法で合成し,トンネル内のK^+イオンの一部をプロトンでイオン交換させたH_X^+K^+_<1ーX>W_4O_<13>中のH_X^+はNa^+,K^+イオン共存水溶液中のK^+イオンに対して選択性を有することを見出した。 2.1000℃の溶融反応により合成したタングステンブロンズ型構造のKNbWO_6中のK^+イオンをH^+でイオン交換した各種試料についてK^+記憶能を種々検討した結果,TーH_XK_<1ーX>NbWO_6に優れた特性のある事が判明した。かなわち,例えばTーH_<0.17>K_<0.83>NbWO_60.1gをK^+,Na^+共存水溶液40cm^3に加え25℃で24時間反応させた結果,液中に共存するNa^+の量が増加しても,ほぼ一定量0.1mmol/lのK^+がイオン交換除去されること,換言すればTーH_XK_<1ーX>NbWO_6にはK^+に対する高選択性,すなわち,目的とするK^+記憶能という特性が秘められている事が判明した。 3.我々が研究を進めている水酸アパタイト〔Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_2〕の合成法を応用して,ブロムアパタイト〔Ca_<10>(PO_4)_6Br_2〕,鉛ブロムアパタイト〔Pb_<10>(PO_4)_6Br_2〕の合成に成功した。合成物中のBr^ーイオンを一部Cl^ーイオンでイオン交換させた試料(例えばPb_<10>(PO_4)_6Cl_<0.8>Br_<1.2>)中のCl^ーイオンが水溶液中のBr^ーイオンに対して選択性を有することを見出した。 以上,本研究は萌芽的研究であり未だ十分な成果は得られていないが2.で述べた系はK^+記憶イオン交換体としておおいに有望であるし,3.の系も今後十分検討すればBr^ー記憶イオン交換体に発展可能と考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)