Project/Area Number |
02805102
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
干鯛 眞信 東京大学, 工学部, 教授 (60011011)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 触媒的ホルミル化 / パラジウム錯体 / ハロアレ-ン / ルテニウムカルボニル錯体 / 混合金属錯体触媒 / 相乗効果 |
Research Abstract |
パラジウム錯体がCO/H_2下にハロアレ-ンの触媒的ホルミル化を行うことはよく知られているが、従来この反応は100℃以上の比較的高温で行われてきた。この反応の触媒としてPdCl_2(PPh_3)_2に他の遷移金属カルボニル錯体を組み合わせた系を種々検討したところRu_3(CO)_<12>が顕著な加速効果を示し、ベンゼン中70℃1.5hでベンズアルデヒド収率は17%(Pd:1mol%)から65%(PdーRu:1mol%ー2mol%)に上昇した。またRu_3(CO)_<12>のみではベンズアルデヒド収量は2%であるところから、明らかにパラジウムールテニウムの相乗効果により反応が加速されていることが判明した。パラジウムとルテニウムの混合比はRu/Pd=2付近に収率の極大があり、それを越えるとパラジウム金属の沈澱が起こり収率も低下した。他の遷移金属カルボニル錯体(Cr(CO)_6,Mo(CO)_6,W(CO)_6,Mn_2(CO)_<10>,Fe(CO)_5,Co_2(CO)_8)はほとんど効果を示さなかった。類似の効果はベンゼン以外の溶媒中でも観測され、またPPh_3を添加した系でも反応速度は遅くなるものの、ルテニウムの添加効果が認められた。さらにpーヨ-ドトルエン、mークロロヨ-ドベンゼン、pーヨ-ドアニソ-ル、2ーヨ-ドチオフェン、1ーヨ-ドナフタレン、Zー3ーヨ-ドー3ーヘキセンのホルミル化におていもRu_3(CO)_<12>の添加により2〜5倍の加速が観測された。反応液のIRではHRu_3(CO)_<ll^ー>と考えられる吸収が観測され、混合金属クラスタ-によると考えられるカルボニル吸収は検出されなかった。このことから、ホルミン化反応の速度が加速されたのはRu_3(CO)_<12>からCO/H_2下で生成するHRu_3(CO)_<11^ー>などのルテニウムヒドリド錯体が、ヨ-ドアレ-ン、CO、およびパラジウム錯体から生成するアシル錯体を速く水素化分解するためであると考えている。現在さらに本研究で得られた知見に基づき、パラジウムアシル錯体とルテニウムヒドリド錯体の化学量論反応について検討を進めている。
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