Project/Area Number |
02805103
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 克彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60023264)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 粘土層間インタ-カレ-ション / 桂皮酸塩 / スチルバゾ-ル塩 / 光シクロ二量化 / エキシマ-発光 / 立体選択性 |
Research Abstract |
(緒言)光反応の特徴は、基質選択的活性化が可能であると同時に、温度、位置、時間などを極限条件下で行いうる点にある。この特異性を生かすには、基質を適当な反応場に配向させて幾何学的な規則性を持つ分子集合体を形成させ、集合化に基づく新規な光化学反応性を探索することが必要である。この観点から筆者は反応場として粘土層間を取り上げ層間に配向・吸着したオレフィンの光シクロ二量化を検討した。 (結果と考察)基質オレフィンとして、カチオン性とアニオン性のスチルバゾ-ル塩(1)、桂皮酸塩(2)を用い、各々の交換能をもつサポナイト系、ハイドロタルサイト系粘土に吸着させた。いずれも定量的な吸着が見られた。オレフィン吸着粘土は水分散状態で光照射し、生成物は単離後各種スペクトル分析により同定した。 この粘土系の特長は、溶液反応に比べて生成二量体の立体選択性および生成効率が格段に向上したことであり、合成化学的にも重要な知見を得た。又、(1)からはheadーtail型が、(2)からはheadーhead型二量体が得られ、X線回折法による層間距離の測定と相まって、前者ではオレフィンがアンチパラレルに、後者ではパラレルに配向・吸着していることを認めた。また、層間に吸着された基質のケイ光スペクトルから、配向オレフィン分子はクラスタ-化した状態であり、オレフィンの吸着率とは無関係であることを認めた。 (結語)粘土層表面上での光反応は、分子集合体としての特長をもった反応系として分類され、立体選択的で、かつ高効率反応が達成される有望な系である。さらに、選択的合成反応場としてばかりでなく光機能性材料の観点からも今後の発展が期待される。例えば、ここに示したオレフィンの中には、この系で非線形光学機能を示す予備的結果も得られている。
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