Project/Area Number |
02805111
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子物性・高分子材料(含機械材料)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉野 茂雄 名古屋大学, 理学部, 助手 (50191630)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | コロイドの相互作用 / 超長距離相互作用 / 対の形成 / 動的電気多重極子説 / 流動場 / DLVO理論 |
Research Abstract |
コロイド粒子の相互作用は、van der Waals 引力と電気二重層による静電反発力とから構成され、ポテンシャルエネルギ-分布の第二極小の位置と、DLVO理論によるとせいぜい20nm程度とされている。 この定説に疑問を抱き、予備実験として光学顕微鏡下でコロイド粒子の運動と分布とを調べたところ、定説よりは2桁〜3桁以上遠くに相互作用が及んでいそうだと言うことが解った。そこで、本年度の科研費の御補助により、以下のようなビデオ映像の時系列解析システムを作成し解析した。光学顕微鏡で捉えたコロイド粒子の運動を、一旦ビデオテ-プに記録する。ビデオ映像を静止画で再生し、静止画中のコロイド粒子の座標点を抽出する。次に駒送りで次の映像を静止画にして、座標点を抽出する。同様な作業を次々と行ない、同一粒子の対応付けをして、コロイドの位置の時系列をコンピュ-タ-のメモリに入れる。そして作成した時系列解析のプログラムで、コロイドの運動と分布について解析を行った。プログラムは『コロイド粒子の動的電気多重極子説』の検証をするためのものである。モデルから推察されるように、コロイド粒子の『対』はポテンシャルの第二極小にトラップされているように振舞い、その位置から外れたところでは、単純なブラウン運動で運動する。これは塩濃度の高いときにも言えることである。対の寿命の長さは、ポテンシャルの第二極小の深さと、トラップされているコロイド粒子がブラウン運動で外へ飛び出す確率とのかね合いで成り立っており、場合によっては一時間以上に渡り対を形成している。流動場が加えられたときに対が形成される現象も『動的電気多重極子説』から、推測される様相となった。現段階でのシステムは、ビデオ機器の分解能が不十分であること等の問題点は多く存在するが、動画処理からコロイドの相互作用の相関を調べる研究の第一段階は可能になった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)