Project/Area Number |
02806009
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
蚕糸学
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中垣 雅雄 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70135169)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 細胞周期 / 細胞加齢 / 胚子細胞 / 蚕 / フロ-サイトメトリ- |
Research Abstract |
フロ-サイトメトリ-によって、核内DNA量を論ずる場合には、Cという量的単位を用いる。すなわち、一倍体細胞に含まれるDNA量をCとし、そのDNA量の倍加に従って、2C、4C、8C・・・・という表現を用いる。1個の細胞は、分裂後休止期(G_1期)→DNA合成期(S期)→分裂前休止期(G_2期)→分裂期(M期)という細胞周期(セルサイクル)を経て、2個の娘細胞分裂する。この分裂した2個の娘細胞のそれぞれが、分裂後休止期(G_1期)になって同様のサイクルを繰り返す。このサイクルをDNA量から見てみると、2C細胞(G_1期)→2〜4C細胞(S期)→4C細胞(M期)という変化を経て、2個の2C細胞(G_1期)に変化する。 家蚕胚子の発育に伴うセルサイクルの変化を追究中に、8Cという倍数性細胞が反転完了期(ST22)の頃より出現し、その蓄積量は胚子発育に伴い増加することを発見した。細胞は一般にこのサイクルを有限回繰り返した後、その分裂能を失った細胞集団へと移行し、この集団が8Cなどの倍数性細胞へと変化するといわれている。この現象は、細胞加齢(cellular aging)と呼ばれている。家蚕胚子における8C細胞の出現は、1)細胞加齢の現象の結果なのであろうか、それとも、2)核が倍数化した特定の組織細胞(絹糸腺など)の出現の結果なのであろうか。胚子の前部、中部、後部のいずれにおいても、かなりの量の8C細胞が認められたことから、この8C細胞の出現は、胚子の体内に局在した特定の組織細胞の倍数化によるものではないように思われる。また、8C細胞の出現時期が、ちょうど、蟻蚕の体を目指して複雑な形づくりが積極的に行われる反転完了期(ST22)であることを考えると、8C細胞の出現は、細胞加齢の現象の結果である可能性が大きいように思われた。
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