Project/Area Number |
02806051
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
畜産学(含草地学)
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
葛西 孫三郎 高知大学, 農学部, 助教授 (60152617)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 卵巣 / 冷蔵保存 / ガラス化 / 卵母細胞 / 蔗糖 |
Research Abstract |
1.基礎保存液組成の検討:マウス桑実胚を0℃に保存する場合、蔗糖(0.75M)の添加が有効であることが知られている。生存性の判定の容易なマウス2細胞期胚〜桑実胚を用いて,適する冷蔵保存液の組成を検討した結果、(1)蔗糖の適濃度は発育段階により異なる、(2)発育段階の初期の胚の方が保存可能期間が短い、(3)保存液のpHは中性〜弱アルカリ性が適している、(4)保存液の緩衡系は、リン酸塩(PB1液)、重炭酸塩(KRB液)に比べ、HEPES(M2)が適している、ことが明らかとなった。 2.マウス卵巣の冷蔵保存:PMSG注射後48時間目のICR系雌マウスから卵巣を取り出し、0℃のM2液に保存したのち卵胞卵を採取して培養し、正常形態率およびMetaphaseIIへの成熟率をしらべた。その結果、(1)1時間保存しても生存性は低下せず、低温に対する感受性は認められなかった。(2)保存液への蔗糖の添加は、0.5〜1.0M区で効果が認められた。(3)しかし、保存期間と共に生存率は低下し、48時間後の正常形態卵率は48%、MetaphaseII率は19%であった。 3.家兎卵巣の冷蔵保存:FSH処理後12時間目の雌家兎から卵巣を取り出し、冷蔵保存したのち卵胞卵を培養した結果、保存液に蔗糖を添加しても、短期間で大部分の卵子が死滅した。これは、ムチン層の付着した家兎胚の冷蔵保存可能期間が極めて長いのとは対照的であった。 4.卵巣および卵胞卵のガラス化保存:卵巣を、そのままあるいはスライスした後、EFS液(40%Ethylene glycol+18%Ficoll+0.3Mー蔗糖添加PB1)に浮遊させて-196℃にガラス化保存した結果、融解後の卵巣からは、全く生存卵子は得られなかった。新鮮卵巣から卵胞卵を採取後ガラス化保存した結果、低率ながら生存卵子が回収された。 以上の結果より、冷蔵状態では卵巣の保存が可能であるが、現段階では、ガラス化状態の保存は卵子を採取して保存することが必要である。
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