ボツリヌス神経毒素による神経伝達物質放出機構の解析
Project/Area Number |
02806054
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎獣医学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
首藤 文栄 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (60001533)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ボツリヌス毒素 / 神経毒素 / シナプトソ-ム / 毒素結合性物質 |
Research Abstract |
この研究の目的は、ボツリヌス神経毒素の神経伝達物質放出阻害作用を利用して、神経終末前膜における伝達物質放出機構を分子レベルで解明することである。神経情報受容・細胞内伝達系にはG蛋白質を含む制御系が存在するが、神経伝達物質の放出にも類似の系が存在する可能性がある。それを確かめるための第一段階として、毒素分子反応性物質の分離精製を試みた。 1.分離したラット脳シナプトゾ-ムを、1%コ-ル酸ナトリウムで可溶化し、10,000xgで遠心分離して可溶性画分と不溶性画分に分けた。 2.可溶性画分をToyopearl HWー50sでゲル濾過し、巨大分子と低分子の2種類の画分を得た。両画分とも、毒素分子と結合する活性を持っていた。これらの画分を、毒素とともにマウスに注射すると、前者は、毒素活性を上昇させ、後者は、抑制した。前者を毒素活性化画分、後者を毒素抑制画分と名付けた。 3.毒素活性化画分は、分子量20万以上のタンパク質数種類とガングリオシドの複合体であり、毒素抑制画分は、ガングリオシドを含まない、分子量2ー4万の低分子糖タンパク質群であった。 4.毒素活性化画分を、CMーToyopearl 650Mでさらに分画すると、毒素活性を上昇させる活性は失われたが、再混合するとその活性が回復した。毒素抑制画分をCMーToyopearl 650Mで分画したところ、3種類の画分が得られ、その中の1つは、比活性が50倍以上に上昇していた。現在、毒素抑制画分の分子構成を解析解析している。 6.今後、この画分の中にGTP結合タンパク質が含まれているかどうか、毒素活性を抑制する機構は何か、さらに、ラット脳シナプトゾ-ムでどのような機能を果たしているのかを解析して行く予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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