Project/Area Number |
02807023
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
稲垣 千代子 関西医科大学, 医学部, 教授 (60025640)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | クロライドイオン / Cl^ーポンプ / 脳 / 神経細胞 / 海馬 / 錐体細胞 / エタクリン酸 / ATP |
Research Abstract |
胎生17日のラット脳から海馬神経細胞を常法により培養分離し、培養10ー14日目にCl^ー感受性色素MQAE(Nー(6ーmethoxyquinolyl)acetoethyl ester)を負荷した。錐体細胞様の神経細胞を選び諸種試薬および電気刺激による細胞内蛍光強度の変動から細胞内Cl^ーイオン濃度を変化させるCl^ー輸送機構を解析した。 1)海馬神経細胞内の蛍光をKrapfらの方法により細胞内Cl^ー濃度に対して校正した。静止状態の錐体細胞様神経細胞の細胞内Cl^ー濃度は6.6+1.6mMと算出された。 2)静止状態の神経細胞内Cl^ー濃度は、Na,KーATPase阻害薬であるウアバインおよび細胞内外pH勾配を消失させるCCCP+NH_4^+では変化しなかった。Cl^ーポンプ阻害薬であるエタクリン酸は濃度依存性に細胞内Cl^ー濃度を上昇させ、Cl^ーポンプを完全に阻害する0.3mMの濃度では細胞内Cl^ー濃度の上昇は最大値に達した。 3)双極白金電極により神経細胞を電気刺激(12ー22mA.1msec.100Hz)すると、細胞内Cl^ー濃度は減少した。この減少は、ウアバイン、CCCP+NH_4^+により影響を受けず、またNa^+,Cl^ーまたはK^+イオンチャンネル阻害剤であるテトロトドキシン、ピクロトキシン、テトラエチルアンモニムによっても影響を受けなかったが、エタクリン酸(0.3mM)処理または細胞内ATPを減少させる処置(サポニン、2ーデオキシグルコ-ス、CCCP、ヘキソキナ-ゼ)により消失または減弱した。 これらの結果から、海馬錐体細胞ではエタクリン酸感受性Cl^ーポンプにより細胞内Cl^ー濃度が低く保たれていること、さらに神経細胞の電気的刺激はこのCl^ーポンプを活性化して細胞内Cl^ー濃度をさらに減少させることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)