細胞増殖阻止因子を用いた全身性自己免疫疾患モデルマウスの病因の解析
Project/Area Number |
02807054
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉村 和久 北海道大学, 免疫科学研究所・化学部門, 助教授 (80127240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 清一 北海道大学免疫科学研究所, 免疫病態部門, 助手 (30150246)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 自己免疫 / SLE / MRL / l / BXSB / Lーアルギニン代謝 / アルギニノコハク酸シンテタ-ゼ / 過活性化Bリンパ球 / 尿素サイクル |
Research Abstract |
ヒトのマクロファ-ジ様細胞株U937の培養上清中に同定された免疫抑制因子、LBIFを用い全身性自己免疫疾患モデルマウス、MRL/lおよびBXSBの病態について解析を進めた。以下にその概要を記す。 1.免疫抑制因子、LBIFはMycoplasma argininiが産生するアルギニンデイミナ-ゼ(EC3・5・3・6)であることを明らかにし、その遺伝子構造を決定した。この酵素はLーアルギニンをLーシトルリンに変換する。 2.このLBIFの免疫抑制の分子機序を解析し、正常リンパ球はLーシトルリンを利用できないが、MRL/lのIgG Bリンパ球は効率よくLーシトルリンを利用できるため、LBIFに非感受性を示すことを明らかにした。 3.さらにPCR法により尿素サイクルでLーシトルリンをLーアルギニンに転換する酵素、アルギニノコハク酸合成酵素の遺伝子発現が、MRL/lおよびBXSBマウスの過活性化B細胞では異常に亢進していることを明らかにした。 自己免疫疾患の病理は、リンパ球のクロ-ン選択の異常や、サイトカインの産生や反応性の異常の観点から多くの研究が進められている。臓器特異的自己免疫疾患ではクロ-ン選択の異常によるらしい例が明らかになりつつあるが、全身性自己免疫疾患ではほとんど明らかになっていない。本研究は、リンパ球に選択的に発生する遺伝性代謝異常(Lーアルギニン代謝異常)が、MRLなどの全身性自己免疫疾患の病態の一部に関与していることを示唆した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)