遺伝子導入形質転換細胞を用いたヒト自己反応性T細胞の自己免疫での病因的役割の研究
Project/Area Number |
02807070
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
熊谷 俊一 京都大学, 医学部, 助手 (00153346)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 自己反応性T細胞 / HLAクラスII抗原 / 全身性エリテマト-デス / 抗DNA抗体 |
Research Abstract |
正常人末梢血より、自己リンパ球障害性と自己B細胞抗体産生補助能をもつHLAクラスII抗原特異的自己反応性T細胞クロ-ンを樹立した。またその同一人よりクラスII抗原遺伝子をクロ-ニングし、その遺伝子を導入した形質転換線維芽細胞(トランスフェクタント)を作製し、以下の点を明らかにした。 1)自己反応性T細胞クロ-ンの認識抗原の解析. DR4特異的自己反応性T細胞クロ-ンは、自己DR4遺伝子を導入トランスフェクタントに対して、ほとんど増殖を呈さなかったが、自己B細胞の培養上清やライゼ-トを添加すると著明な増殖反応が見られた。またこのトランスフェクタントに対して細胞障害作用はほとんど無かったが、このライゼ-トと前培養した標的細胞に対しては著明な障害性を示した。これらの事実は自己反応性T細胞が自己Iaのみを認識するのではなく、自己Iaと共に何らかの自己抗原を認識していることを強く示唆した。 2)自己反応性T細胞クロ-ンを用いた全身性エリテマト-デス(SLE)患者抗DNA抗体産生機構の研究. 自己反応性T細胞クロ-ンはDRやDQを共有するアロB細胞に対しても著明な抗体産生補助能を有した。HLAの一致するSLE患者B細胞を自己反応性T細胞クロ-ンと混合培養し、その上清中の免疫グロブリン量やIgG及びIgMクラス抗DNA抗体産生量を調べた。正常人B細胞はこのT細胞補助により著明にIgM抗DNA抗体を産生したが、IgG抗DNA抗体産生はしなかった。これに対しSLE患者B細胞では、自己反応性T細胞クロ-ン添加によりIgGクラス抗DNA抗体の著明な産生の増強が認められた。このことは、SLEにおける抗DNA抗体産生B細胞レパ-トアの異常と自己反応性T細胞の病原的役割を意味した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)