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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
1.角層ホモジネ-トによる好中球化学発光(CL):正常人足底から無菌的に採取した角層ホモジネ-トは血清存在下で好中球を刺激し,CLを誘導した。熱処理した血清ではCLが著しく低下することより,角層による好中球CLは補体C3bに大部分が依存していることが示唆された。血清でオプソニン化したホモジネ-トもCLを誘導した。4回ホモジネ-トを造心してC5aをとり除いたサンプルでもCLが誘導されたことから,角層ホモジネ-トによるCLはC5aに依るものではなく,角層細胞と好中球の直接な結合(fr ustrated phagouーytosis)によると考えられた。 2.電顕的観察:CL測定と同条件下で作製したサンプルにおいて,角尿細胞と好中球の間に特異的な結合が生じていることが確認できた。 3.角層シ-トによる好中球CL:セロファンテ-プで別離した角層もホモジネ-トと同球好中球CLを誘導した。別離回数に関係なく発光が認められたことより,角層はどのレベルも同程度に補体を活性化する能力を有していることがわかった。 4.膿疱形成機序:血清成分が角層に接触すると補体傍経路が活性化され,C3bとC5aができる。このC5aによって角層下に到達した好中球は,C3bでオプソニン化された角層細胞を攻撃する。細胞外に放出された種々の活性酸素,ライソリ-ム酵素により角層周辺組織に炎症が生じこれが膿疱として肉眼的にみえることになる。この角層と好中球の相互作用は角層を通り抜ける微生物に対する生体防御機構の重要な担い手である可能性が高い。今後,この系に微生物を作用させ,微生物を殺菌する機構を解明してゆきたい。
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