精神分裂病モデルラットの前頭葉エンケファリン作動系の検討
Project/Area Number |
02807107
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
澁谷 治男 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (10158959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
融 道男 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20013972)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 精神分裂病 / ヒト死後脳 / ヒュ-オピオイド受容体 / デルタ-オピオイド受容体 / シグマ受容体 / コレシストキニン受容体 / フェンサイクリジン / MKー801 |
Research Abstract |
1、 精神分裂病死後脳12例、対照脳10例について今年度引き続きペプチド受容体の解析を行い、さらにシグマ受容体を測定し終了した。その結果精神分裂病群について以下の事が判明した。 (1)ミューオピオイド受容体結合量は内側前頭皮質、眼球運動領野で有意に増加していた。しかし眼窩前頭皮質、眼窩皮質、側頭葉皮質では変化がなかった。 (2)デルタオピオイド受容体結合量は内側前頭皮質、眼窩前頭皮質で有意に増加していたが眼窩運動領野、眼窩皮質、側頭葉皮質で差を認めなかった。 (3)コレシストキニン受容体結合量は海馬支脚および扁桃体の基底外側核群で有意な増加を見た。また頭頂葉の体性感覚領野で増加していた。しかし前頭葉皮質、側頭葉皮質、頭頂葉の上頭頂回、縁上回、角回、後頭葉皮質、海馬歯状回、アンモン角、海馬後部、扁桃体皮質内側核群、帯状回の後部などでは対照群と比較し変化がなかった。(4)シグマ受容体結合量は外側後頭側頭回皮質および上頭頂葉皮質でのみ有意な増加を認めたが前頭葉皮質、後頭葉皮質および側頭葉と頭頂葉の他の部位については変化を見なかった。我々の所見を総合すると、分裂病脳では前頭葉皮質でメチオニンエンケファリン免疫活性とオピオイド受容体結合量の増加を、大脳辺縁系と側頭葉皮質でコレシストキニン作動系の変異がある事を示している。しかし一方、シグマ受容体の変化は軽微であった。 2、NMDA受容体の拮抗薬であるMKー801(0.125mg/kg)とフェンサイクリジン(7.5mg/kg)をラットに間歇的に慢性投与して移所行動への影響をANIMEXを用いて調べた。両薬剤の初回投与時の運動への影響はほぼ等しいにもかかわらず、反復性注射する事によりフェンサイクリジンで著明に運動量が増加し、この薬剤に対する感受性の亢進を認めた。フェンサイクリジンが分裂病葉症状の惹起作用を有し、一方MKー801はその様な報告はない。両者の薬理作用の相違を前頭葉ペプチド機能への影響の観点から今後検討してゆく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)