Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
膵B細胞のグルコ-ス認識機構を解析をするため,甘味受容体に作用する種々の物質の膵B細胞に対する作用を検討し,次の結果を得た。 1.甘味受容体の特異的競合的阻害剤であるpーnitropheny1ーDーglucopyranosiceのαアノマ-(αーPNPーGlu)は,膵島グルコ-ス酸化を阻害することなく,グルコ-スによるインスリン分泌を特異的競合的に阻害したが,舌と同様,βアノマ-には阻害作用はほとんどなかった。 2.正常ラット膵島とは異なり,NIDDモデルラット(自然発症GKラットおよび新生児streptozotocin投与ラット)膵島からのグルコ-スによるインスクリン分泌は,αーPNPーGluによって抑制されなかった。インスクリン分泌をフオルスコリンで増幅しても,抑制作用は認められなかった。 3.阻害剤の分子構造と作用発現の関連を見るため,PNP化合物のヘキソ-ス部分をマンノ-スまたはガラクト-スに置換した化合物の作用を検討した結果,前者のαアノマ-にαーPNPーGluと同様の作用を認めたが,後者ではいずれのアノマ-にも作用を認めなかった。またPNP化合物より作用は弱いが,同様の甘味阻害作用をもつmethy1ー4,6ーdichloroー4,6ーdideoxyーαーDーglucopyanosideおよびUmethy1ー4,6ーdichloroー4,6ーdideoxyーαーDーgalctopyranosideは,共に軽度にグルコ-ス酸化を抑制したが,インスリン分泌抑制作用は前者が有意に強かった。これらの知見は,ヘキソ-ス部分の構造が作用発現に重要であることを示唆する。 4.glycyrrhizinは,甘味の特異的阻害剤として知られるギムネマ酸と類似の構造を有し,旦つそれ自体強力な甘味物質である。グルコ-スによるインスリン分泌の第2相にglycyrrhizinを作用させると,分泌は直ちに抑制され,同剤を除去すると,直後より著明な2相性のインスリン分泌が惹起された。なおglycyrrhizinは膵島グルコ-ス酸化を抑制しなかった。
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