曖昧表現の認知過程の研究-実験心理学的・脳科学的研究-
Project/Area Number |
02J05207
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
実験系心理学
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Research Institution | Tokai Women's University (2004) Nagoya University (2002-2003) |
Principal Investigator |
野村 理朗 東海女子大学, 講師 (60399011)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 表情 / 実験心理学 / 脳科学 / 感情プライミング / 曖昧な表情 / 怒り / 前頭前野内側部 / 心の理論 / facial express / ambiguous emotion / fMRI / affective priming / context / 感情 / 認知 / 曖昧表情 / 文脈 / ERP |
Research Abstract |
本研究は、表情の曖昧性と、文脈情報としての知覚者の情動状態に着目し、感情と認知の相互作用を組み込んだ統合的な表情認知過程のモデル化をおこなうことを目的とした。その研究アプローチとして、認知心理学的な手法、さらに、高次脳機能画像診断技法(fMRI・MEG)、電気生理学的技法(事象関連電位)を用い、また臨床的な応用(抑うつ患者への認知行動療法など)も視野に入れた研究を実施してきた。 曖昧表情の判断過程における知覚者の情動状態に影響する文脈情報として、ターゲットに先行する閾下刺激の影響について検討を行い、同影響の生じる心理過程とその脳内基盤について明らかにした。また、閾下刺激の感情価、あるいは刺激提示の社会状況的文脈についての言語的記述による認知への影響について検討を行った。以上の一連の研究結果より、他者感情の推測時における心理・脳科学的モデルを導いた。 なお、負の感情が慢性的に喚起された状態として抑うつ状態が考えられ、抑うつ者については表情認知においてもネガティブ・バイアスが報告されている。しかし抑うつ者における感情と認知の相互作用については充分検討されているとは言い難いため、抑うつ群における両システムの関係性についての基礎的検討として、健常群と抑うつ群において、n-back課題(逐次的に呈示される感覚情報のn番目前の情報を回答)による検討を実施した。その結果、抑うつ群においてn数が増加による課題成績の低下が、とくに不快感情の導入時において顕著であったことが確認された。さらに、脳波測定装置を用いて脳機能の時間的側面の計測による検討を行った結果、潜時300msの陽性成分において抑うつ群における振幅の低下が明らかにされた。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)