Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
Al障害によっておこる根組織の観察イネとコムギにおいて、Alに対する応答の違いを生理学的観点から検証した。コムギのAl耐性品種であるET8はイネのトヨハタモチ・SABANA6・IR72・IR36などと同様のAl伸長阻害度を示した。一方、Al感受性品種であるES8は圧倒的にAlに対して弱かった。すなわち、ET8やイネは10muMAlで根の伸長速度が半分になるのに対して、ES8は2muMで80-90%も速度が落ち、伸長は停止した。ET8は有機酸(リンゴ酸)を分泌することで耐性能を得ていることがわかっているが、イネではまだ不明なままである。そこで、イネにアルミニウム処理をした場合の細胞応答について、特に根圏pHに着目した研究を行った。その結果、アルミニウム処理をすると根圏pHがより低下する可能性が示唆された。しかし、同様の実験をコムギに対して行った場合では根圏pHの低下は認められなかったことから、イネ固有のアルミニウム応答である可能性が示唆された(日本植物生理学会で共同実験者として報告)。ポジトロン核種による、物質の体内移行解祈の開発ポジトロン核種(O-15、K-38)において、イネ・ダイズ・コムギを用いて、トレーサー実験を行った。O-15(水の酸素をラベル)に関して、ダイズにおいて、水の吸収速度を求めた。そのための装置等を作成し、イメージングプレートでの取り外しがしやすい実験系ができた。さらに、BGO検出器を用いて、β^+崩壊後の消滅γ線を同時計数することにより、非常に感度よく、ノイズが少なく検出する系を確立した(放射化学討論会・日本植物生理学会で報告)。K-38では、根におけるKの吸収について水耕液中での計測を試みた。その結果、水耕液中でK-38を根が集積する様子を観察することに成功した。今後これらの手法を用いて、アルミニウム障害時の水吸収動態やカリウム吸収動態について解析する予定である。
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