Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
前年度の研究結果を引き継ぎ、ネットワークの正確な挙動予測と信頼性の高い設計方法の確立に向け、分子の少数性に起因する細胞内化学反応のゆらぎを解析するための新しい数理的な手法の開発を行った。まず、前年度において発展させた確率ネットワーク解析の手法をさらに発展させ、手法をより数学的に完全な形での定式化し、その汎用性および厳密性を確立した。また、確率ネットワーク解析と深く関連するリアプノフ方程式を用いて、化学反応の化学量論的特性に注目した細胞内化学反応のゆらぎの解析を共同研究で行い、Journal of Theoretical Biologyに発表を行っている。さらに、このリアプノフ方程式に基づく手法を用いて、遺伝子発現における揺らぎが抑制されるメカニズムを解析し、そしてその機能的限界を共同研究において明らかにした。そして、この結果を元に人工遺伝子ネットワークにおけるゆらぎの効果的な抑制方法とその限界の提案を行っている。この結果はJournal of Theoretical Biologyへの掲載が決定している。これらの知見を包括した理論的結果を書籍"<一分子>生物学"(岩波書店、合原一幸・岡田康志編)および、また日本バイオインフォマテイクス学会第4回生物情報ネットワーク研究会招待講演(2004年12月16日、小林徹也・合原一幸、細胞内反応ネットワークにおける揺らぎの数理解析)において発表している。一方、確率ネットワーク解析の手法の改良と平行して、細胞内化学反応のゆらぎを評価するための新しい手法として、細胞増殖を含んだ非線形マスター方程式の提案とその解析も行い、その結果を国際会議50th NIBB Conference(2005/2/8-2/10、愛知県東岡崎市岡崎カンファレンスセンター)にて口頭発表している。
All 2005 2004 Other
All Journal Article (4 results) Publications (2 results)
Journal of Theoretical Biology (掲載決定)
Journal of Theoretical Biology 229
Pages: 501-521
<一分子>生物学(合原一幸・岡田康志編)(岩波書店)
Pages: 161-180
Physical Review E 70
Pages: 11909-11909