アジア系ラテンアメリカ人の民族性と国民統合-民族集団間の協調と相克に関する研究-
Project/Area Number |
03041036
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | Field Research |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
前山 隆 静岡大学, 人文学部, 教授 (10111783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BEATRIZ Muni サンパウロ, カトリック大学・社会学部, 教授
長嶋 佳子 大阪学院大学, 国際学部, 助教授 (30183891)
田口 純一 椙山女学院大学, 短期大学部, 助教授 (80135277)
関本 照夫 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (20110083)
佐藤 信行 広島大学, 総合科学部, 教授 (50052220)
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Project Period (FY) |
1991 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥20,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000)
Fiscal Year 1992: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
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Keywords | アジア系ラテンアメリカ人 / エスニシティ / 中間マイノリティ / 国民国家観 / クリオ-ル白人 / 社会上昇 / 民族的多元主義 / 宗教的習合 |
Research Abstract |
ラテンアメリカ諸国へのアジア人移住はアフリカ系黒人奴隷労働力に基いたプランテ-ション体制の解体とともに、奴隷代替低賃金労働力への要請によって19世紀中葉に始められ、爾来第二次大戦終了時迄は強い人種差別を受けていたが、以後国民国家観排判、民族的多元主義の台頭、1970年代以降のエスニシティの新展開と共に都市を中心に南米諸国においてアジア系ラテンアメリカ人は大きな変貌を遂げ、ラテンアメリカ社会解釈のための大きな手がかりを提供している。クリオ-ル白人支配の体制は再考され、新大陸文化を白人・黒人・インディオの三大分裂から解釈する比較文化の枠組は崩れ、アジア系ラテンアメリカ人を通しての分析枠組構築が要請されている。ブラジルでは日系・沖縄系宗教とカトリック教徒との習合・統合が進行し、韓国移民は既製服の生産販売の分野でアラブ系・ユダヤ系ブラジル人と競合している。中国系人はサンパウロ東洋人街で商工業・サ-ビス業界において日系人・白人系人と協調・相克しながら文化的民族的棲み分けも持続させているが、新世代の間では交婚の事例が増加している。トリニダ-ド,スリナム,ガイアナではかつて中国系人は首都中心街で貴金属商・輸入商・飲食店などで中産階級の地位を確保しながら、アフリカ系人、インド系人との間の民族的相克も育ち、圧迫が強化され、いると共に、他方では民族的二大分裂の間に立って媒介的役割も果たしている。スリナムのジャワ系人は高等教育と官僚制度を利して社会上昇を果たしたが、上記中国系人類似の少数民族の立場に立たされ、オランダへの流出が顕著となっている。アジア系ラテンアメリカ人の参画により労働観・人間観・宗教観におけるパラダイム転換(民衆レベル)が醸成されている一方、社会的にはアジア系人は「中間マイノリティ」の性格も顕著に示しだしている。
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Report
(1 results)
Research Products
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