Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥6,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Research Abstract |
本年は,中国産植物毒素・ト-センダニン(tosendanin melia)の心筋Ca^<2+>チャネルへの作用を検討した。単一モルモット心室筋細胞の活動電位への作用を検討したところ,活動電位延長作用を示した。この毒素の膜電流への効果は,遅延整流K^+電流を抑制し,Ca^<2+>電流に対しては約半数の例で増強,他では効果がみられなかった。増強作用のみられた例でも,その効果発現には20〜30分を要し,その作用には何らかの細胞内機序を介していることが示唆された。現在,その細胞内機構を明らかにするために,単一チャネル電流を記録して検討している。 別の中国産植物毒素・シタンジン(salvia militorrhiza bge)は,主成分としてディヒドロベンゾアルデハイドを含んでいる。このものがK^+チャネル開口薬と類似の作用をもたらすとされているので,その機序を検討した。本物質は,心筋の活動電位を短縮させ,その作用はグリベンクラミドにより抑制された。その作用は時間非依存性外向き電流の増加にもたらされた。単一チャネル電流の記録から,本物質はATP感受性K^+チャネルを開口させることが判明したが,cellーfreeのinsideーoutパッチでは作用は不定で,ADPの存在下でのみ明らかとなった。これらのことより,シタンジンは,ATP感受性K^+チャネル開口作用を有し,その作用発現には細胞内機序を介するものであり,ADPの介在を必要とすることが判明した。
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