Project/Area Number |
03044116
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | Joint Research |
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安井 湘三 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (50132741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ISHIDA Andre カリフォルニア大学, デイビス校・動物性理学科, 助教授
DJAMGOZ Must ロンドン大学, インペリアルカレッジ・生物学科, 教授
MACLEISH Pet コーネル大学, 医学部, 教授
WISEL Torste ロックフェラー大学, 学長
八木 哲也 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (50183976)
WIESEL Torst ロックフェラー大学, 学長
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Project Period (FY) |
1991 – 1992
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1992)
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Budget Amount *help |
¥8,500,000 (Direct Cost: ¥8,500,000)
Fiscal Year 1992: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | ニューラルネット / 視覚 / 神経生理 / シナプス / 網膜 / 画像処理 / 培養細胞 / 学習 / ニュ-ラルネット / 光計測 / イオン電流 |
Research Abstract |
A.グループ:九州工業大学情報工学部制御システム工学教室: 安井湘三(代表者)、八木哲也(分担者)、古川徹生(協力者) 山田雅弘(協力者、工業技術電子技術総合研究所) Bグループ:米国ロックフェラー大学神経生物学教室および コーネル大学医学部視覚科学研究所: T.N.Wiesel(分担者)、P.R.Macleish(分担者)、 A.Hirano(協力者) Cグループ:米国ロンドン大学インペリアルカレッジ生物学科: M.B.A.Djamgoz(分担者)、J.Downing(協力者) Dグループ:米国カリフォルニア大学デービス校動物生理学科: A.T.Ishida(分担者) (1)色覚と明暗順応に関係する網膜2次ニューロン受容野サイズの可塑性制御(A、Cグループ) ギャップ結合を介して互いにカップルする鯉網膜の水平細胞は広い受容野をもつが、上記の機構をHI型水平細胞がもつことを今回明らかにした。これはAとCのグループがこれまで数年にわたって蓄積した研究結果のひとつの帰結といえる。ここで主役を演じるのは短波長感受性の錐体視細胞からHI細胞への特異型のシナプスである。すなわち、これは符号反転性ではあるが通常の抑制性ではなく伝達物質が後膜gmの減少をもたらすタイプであり、長波長錐体からの通常の興奮性(non-MNDA)シナプスと対比される。さらに、問題のシナプスはAPB(2-amino-4-phosphonobutyrate)および暗順応により阻害される。以上から、光は視細胞を過分極し伝達物質放出量の減少を起こすことを考え合わせれば、明順応時における短波長刺激の受容野は長波長に比べて狭いはずである。この予測は今回実証された。水平細胞シンシチアムの空間定数はギャップ結合抵抗Rgと膜抵抗Rmで決まるが、本モデルではRmが可変となる。 これは、ドーパミンによるRgの修飾による周知の機構とは異なる新しい横方向の信号伝達路といえる。 (2)人工ニューラルネットワークによるトップダウン研究 (Aグループ) ランダムに結合した網膜様の3層BP型ニューラルネットワーク(NN)に明暗パターンの左右方向の移動を検出する機能を学習により獲得させ、その結果NN内部に発現した回路構造を解析し、あわせて生体における速度検出の神経機構と比較検討した。これは、前年度の中心周辺拮抗型受容野の自己形成を発展させた成果である。 (3)人工網膜の試
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作(A、Bグループ) 前年度に引き続き、(1)の結果を参考にしながら明/暗順応の状態に応じて可塑性をもつ画像処理用空間フィルタの開発を進めた。本年度は特に標準正則化問題と関連させてネットワークのアーキテクチャ開発を行い新しいタイプのチップの試作に成功した。 (4)単離培養系による実験研究(A、B、C、Dグループ) 培養系における神経回路再構築の試みは、膜電位感受性色素を用いたシナプス結合の機能テストを含めて主としてBグループが行ったが、網膜への本格的な応用に向けては今後解決するべき問題が多く残っている。一方、AとDのグループは in vitro 網膜介在ニューロンについて、成長に伴う形態形成の過程を画像記録し、同時にそれらの細胞生理をパッチクランプ法に基づいて調べた。とくに、Aはニスタチンの技術を確立しその利用による予備的実験を行った。これらのデータの多くは目下詳細に解析中であるが、その主な内容は以下の通りである。AはBとの共同実験の結果も一部参考にして、視細胞にある Ca依存性Kチャンネルの役割を究明するために等価電気モデルを使って調べている。Dは神経節細胞を対象に伝達物質受容に伴うイオン膜透過のCa依存性を解明しつつある。 (5)Xenopus oocyte における網膜由来APB感受性の発見 (Cグループ) 興奮性および抑制性アミノ酸伝達物質の受容体が金魚網膜から抽出したmRNAに因りxenopus oocyteに発見したことを電気生理的に示した。このうち、APBに対する効果は、単離水平細胞においてAグループが(4)の関連で記録したものと同様であった。APBについて、これらと(1)の結果との関係を解明することは残された課題である。 (6)ニューラルネット不要経路の自立淘汰と隠れた素子の共有に関する計算論的研究(Aグループ) ニューラルネットワークの応用に際して、個々のタスクに対して最小規模の回路構造を事前に知ることは、経済性、ローカルミニマムの回避、タスク自体の理解と洞察、モジュール化、計算論的脳研究などの観点から重要である。この問題についてシナプス荷重の相互抑制に基づく原理を考察し、例題に対して良好なテスト成績を得た。また、この原理を多出力3層NNに応用することで隠れ層の共有化にも非常に有効であることを示した。一方、本研究では双極細胞受容野の可塑性、とくにその明暗順応あるいはSN比に依存する側面を実験および計算論に基づいて究明してきた。双極細胞受理野の周辺部は水平細胞に由来するので(1)および(3)の成果とも関連し、本アルゴリスムの応用も導入した今後の進展が期待される。 Less
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