肝発癌過程のマ-カ-酵素の特異的発現機構と機能の解明
Project/Area Number |
03151004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐藤 清美 弘前大学, 医学部, 教授 (50006079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 妙子 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (50006110)
菊池 九二三 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (20006117)
遠藤 英也 鳥取大学, 医学部, 教授 (40037320)
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
村松 正實 東京大学, 医学部, 教授 (10035454)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥16,500,000 (Direct Cost: ¥16,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥16,500,000 (Direct Cost: ¥16,500,000)
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Keywords | 肝発癌 / マ-カ-酵素 / グルタチオンSートランスフェラ-ゼ / 転写調節因子 / 癌遺伝子 / Gタンパク質 / プロティンホスファタ-ゼ / プロテアソ-ム |
Research Abstract |
本年度の主要な研究成果は以下の通りである。 1)ペルオキシソ-ム増殖剤や変異原性発癌剤で誘導された肝前癌病変ではペルオキシソ-ム局在性の酵素(enoyl CoA hydrataseなど)が欠損する。2)GSTーP遺伝子のサイレンサ-に働く転写因子の1つがNFILー6と同定された。3)ラット肝前癌病巣ではMnース-パ-オキシドデスムタ-ゼ(MnーSOD)の発現は抑制される傾向を認めた。サイトカインやエンドトキシンなどによりヒト株細胞のMnーSODはプロティンキナ-ゼC依存性に誘導されることを見い出した。4)カタラ-ゼ遺伝子のサイレンサ-は、肝特異的に発現するタンパクの遺伝子と共通であり、肝癌では同領域に働く転写抑制因子(35kDa)が発現していた。5)ラット肝発癌過程で、プロティンホスファタ-ゼは分子種特異的に発現する。6)低分子量GTP結合タンパク質(smg p21)のGDP/GTP交換反応を促進するsmg GDSは、Kーras p21の交換反応も促進し、cーfosを発現させ、NIH/3T3細胞を形質転換する。これらの知見は、Rasの情報伝達系を解明したものであり、癌化との関連で重要と考えられる。7)プロテアソ-ムの構成サブユニット群はヒト肝癌、腎癌などで協調的に異常発現する。プロテアソ-ムは癌遺伝子産物や細胞周期調節タンパクを分解するほか、免疫応答、とくに抗原提示に関与することが示唆されている。 肝発癌過程のマ-カ-酵素の発現調節機構として、遺伝子のシス-エレメントに働く転写因子の重要性が示唆される。これら因子の発現あるいは抑制が癌に特異的であるのか、その発現に癌遺伝子が関与しているのか、さらにクロフィブレ-トによるGSTーPの低下はcーJUN/cーFOSとペルオキシソ-ム増殖剤レセプタ-との相互作用によることが示唆されるので、転写因子間の相互作用による発現調節機構の解明が今後の課題と考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)