中性子捕捉療法の改善と適応拡大のための基礎的臨床的研究
Project/Area Number |
03151034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊池 晴彦 京都大学, 医学部, 教授 (20072746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 啓治 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (10027419)
能勢 忠雄 筑波大学, 医学部, 教授 (10009699)
阿部 光幸 京都大学, 医学部, 教授 (00025587)
織田 祥史 京都大学, 医学部, 助教授 (10026958)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥10,400,000 (Direct Cost: ¥10,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥10,400,000 (Direct Cost: ¥10,400,000)
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Keywords | 悪性脳腫瘍 / 中性子捕捉療法 / 硼素キャリヤ- / ガドリニウム中性子捕捉反応 / 脳の放射線障害と耐性 / 重水 / 1ーpーBPA / 悪性黒色腫 |
Research Abstract |
当初の計画に従いKURでのBNCTの実施を容易にするための設備の研究およびその整備を進め、これを元に平成3年度までに15例の悪性脳腫瘍(内5例は京大例)と4例の悪性黒色腫の治療が実施された。基礎研究では菊池、織田、高垣らは(1)ガドリニウムを利用した新しい中性子捕捉療法の可能性を検討し、その臨床的有効性を明らかにした。(2)核酸を構成するnucleosideの一つであるUridineに硼素原子10個からなるクラスタ-;カルボランを結合したcarboranyl uridineを合成し、BNCT時の致死効果を検討したところ従来のBーSHに比して高い致死効果を認め、今後さらにcarboraneをBー10で濃縮合成することで理論的に致死効果を5倍に高めることが可能であり、脳腫瘍治療において次世代化合物として期待されるところ大であることが明らかになった。阿部らはKURにおいて平成3年度迄に行われた脳腫瘍BNCT全15例について放射線医学的に検討を加え、一応の目安として病巣の最深部が脳表から5cmを越えず、脳室内に進展のない初回治療の症例がBNCTの良い適応であることを明らかにした。能勢、福田らはヒト正常脳組織に対する放射線障害と耐性を特に血管変化との関係について検討した。神田、古林らはファントムを用いて重水、ボイド、およびコリメ-タ-の形状と組織内熱中性子束分布との関係を明らかにし、実験的、理論的にそれらの有効性を実証した。山本らは、硼素キャリヤ-の有機合成法を確立し、幅広い応用性をもち、部分構造の少しずつ変わったキャリヤ-を系統的に合成できる新合成法を考案した。秋根らは、ガドリニウム中性子捕捉反応で得られる腫瘍致死効果は主として電子線によるものであることを明らかにした。畠中らは、BーSHによる脳腫瘍の治療の有効性を報告した。三島らは1ーpーBPAによる悪性黒色種の治療の有効性を報告した。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)