化学発癌における活性中間体の動態と標的臓器DNA傷害ー臓器および種特異性との関連
Project/Area Number |
03151058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 隆一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40112685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 隆俊 東京大学, 医学部, 教授 (30085633)
多田 万里子 愛知県がんセンター研究所, 生化学部室, 室長 (90073113)
若林 敬二 国立がんセンター研究所, 発がん研究部, 室長 (60158582)
大西 克成 徳島大学, 医学部, 教授 (10037400)
渡部 烈 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00057316)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥18,000,000 (Direct Cost: ¥18,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥18,000,000 (Direct Cost: ¥18,000,000)
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Keywords | 癌原物質 / 代謝的活性化 / 種差 / 性差 / 臓器特異性 / ヒドロキシアリ-ルアミン / DNA傷害 |
Research Abstract |
本研究班は癌原物質の代謝的活性中間体の生成、不活性化、DNA付加体の生成とその構造特異性、傷害DNAの修復などを総合的に研究し、化学発癌における臓器特異性、種差、性差などの機構の分子レベルで解明することを目的として以下の成果を得た。1.癌原性へのテロサイクリックアミンのNー水酸化体の硫酸抱合を経てのin vitroでのDNA傷害はヒトを含めてすべての検討した動物で認められたが、ラットでは活性が高く、著しい種差が認められた。2.4ーヒドロキシアミノキノリンー1ーオキシド(4HAQO)静注後のDNA付加体生成のラット、マウス、モルモット、ハムスタ-などにおける検討では、4HAQOの発癌標的臓器において高値を示すという相関が認められた。高感受性のラットにおいては膵や腎でのDNA付加体の生成は低感受性のマウスに比べ初期に高くかつその除去が遅いことが明らかにされた。3.4ーメトキシー4ーアミノベンゼンNー水酸化酵素はマウスのオスの腎にのみ高い活性が認められ、他の動物では全く欠損しているという著しい種差が見出された。4.アミノアゾベンゼン誘導体のうち、癌原性3ーメトキシ体はDNA付加体の生成が高く、付加はDNA伸長反応を強く抑制したが、一方、非癌原性2ーメトキシ体はDNA付加体の生成も低く、かつ付加体によるDNA伸長反応の抑制は見られなかった。5.O^6ーアルキルグアニンーアルキル転移酵素欠損大腸菌に作り、標的遺伝子内の数箇所に高い頻度でG・CーA・Tトランジション突然変異が生じ、突然変異のホットスポットが存在することが明らかにされた。 以上、DNA付加体の生成と癌原性の種差、臓器特異性などについては単にDNA付加体の量ではなく、その質(癌原性の強さ)が問題にされねばならず、それらについての詳細な研究が必要とされよう。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)