分化、老化、癌化の過程で変化するDNAメチル化の生物学的意義
Project/Area Number |
03152008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 哲也 東北大学, 医学部, 教授 (00107509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小村 潤一郎 東北大学, 医学部, 助手 (10215410)
栗下 昭弘 東北大学, 医学部, 助手 (60201472)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 老化と癌化 / DNAメチル化 / 肝腫瘍 / cーmyc / DNAメチルトランスフェラ-ゼ / 放射線 |
Research Abstract |
がん細胞のもつさまざまな特性のうちDNAメチル化の変化は多くの腫瘍でしかも高頻度に見出されている。さらにがんの多発する老化個体でも変化していることが分かっている。しかしこのDNAメチル化の変化ががん化の結果なのが原因なのかについては未だ確たる証拠があかっていない。そこで本研究では、この点を解明すべく以下の二点からのアプロ-チを行った。(i)DNAメチル化を人工的に変更させた時何が起こるか、(ii)肝腫瘍でみられるcーmyc遺伝子のメチル化の変化の詳細な解析。(i)についてはすでに培養細胞で有効であることが報告されている放射線照射とアルブミンプロモ-タにつないだDNAメチルトランスフェラ-ゼのマウスへの挿入の2つを試みたが、放射線によるDNAメチル化の変化には組織特異性や分化時期依存性があり必ずしも有効な方法ではないことが分かった。DNAの挿入については技術的な問題が解決しきれず、現在も引続き行っている。また(ii)についてはC3Hに自然発生した肝腫瘍とB6C3F_1に誘発された肝腫瘍40例について調べた結果、第2エクソンから第2イントロンでのメチル化の変化と5'上流ー3.5kb領域での脱メチル化が90%以上の高頻度におこっていることを見出した。特に5'側上流域での脱メチル化はヒトの肝腫瘍でもみられており、がん化に伴うcーmyc遺伝子の発現異常と密接に関与している可能性を示唆している。しかし変化のみられたcーmyc遺伝子上流域の遺伝子発現調節への役割についてはまだ何も分かっていないので、今後に残された課題といえよう。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)