NMRを用いるBー10キャリア-の細胞内分布の解析と最適キャリア-の分子設計
Project/Area Number |
03152017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 嘉則 東北大学, 理学部, 教授 (60029519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 尚夫 東北大学, 理学部, 助手 (30208293)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 中性子捕捉療法 / ホウ素10同位体 / ヌクレオシド / 水溶性 / カルボラン / ポリグリセリン |
Research Abstract |
中性子捕捉療法は現在臨床応用され,他の治寮法では治癒困難な重症患者に対して実績をあげ始めている。この治寮法はホウ素10を効率よく癌細胞に集中させることが重要だが現在の化合物は要求を十分に満たしていない。そのため優れたホウ素キャリア-の開発が急務である。 優れたホウ素キャリア-として我々はカルボランというホウ素クラスタ-に注目し,そのヌクレオシド誘導体の合成方法論を開発した。合成はヨ-ド化したヌクレオシド誘導体と末端アセチレンをパラジウム触媒によりカップリングさせ,得られたアルキニルヌクレオシド誘導体にデカボランを反応させるという合成経路が有効な方法であることがわかった。この手法で,ウリジン誘導体をいくつか合成し,マウス癌細胞に対しての生理活性試験を行った。これらは強い抗癌作用で知られる5ーfluorouracilの約10倍の癌細胞成長阻害を示し,中性子照射との相乗効果という点から癌治療のための化合物設計にとって重要な位置を占めるものと期待でき る。 次に新規水溶性部位として枝別れ状に延ばしたグリセリンポリマ-の開発を行った。これらはベンジルアルコ-ルとエピクロロヒドリンと出発原料として大量に合成できた。得られた1,3ージベンジルグリセリンを単離生成しエピクロロヒドリンを反応させるとさらにグリセリンユニットを伸長できるため,この成合法を繰り返すと水溶性の強弱を制御する一連の化合物群を合成できる。実際これをカルボランに組み込むとグリセリン1ユニット,グリセリン3ユニットの誘導体でそれぞれ,0.67mol/L,5.44mol/Lという十分な値を示した。この化合物は不斉炭素を分子内に持たないため,複雑な生理活性化合物に組み込む際に不要なジアステレオマ-を一切生成しないという特長も有する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)