グルタチオン・トランスフェラ-ゼP遺伝子の肝癌特異的発現機構
Project/Area Number |
03152024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村松 正實 東京大学, 医学部(医), 教授 (10035454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 哲治 東京大学, 医学部, 助手 (20156110)
今川 正良 東京大学, 医学部, 助手 (20136823)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
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Keywords | GSTーP / GPE / cーjun / エンハンサ- / サイレンサ- / SFーB / CAT / トランスジェニックラット |
Research Abstract |
今年度はGSTーP遺伝子上流にあるエンハンサ-GPEIに結合する蛋白質の同定を進めた。GPEIーCATの活性がcーjunを欠失するF9細胞でも十分存在することから、これがAP1(cーjun/cーfos)によって活性化されるのではないことは推定されていたが、更にアンチセンスcーjunの発現によっても影響を受けないことからこれが確かめられた。 F9細胞抽出液によるゲルシフトで2つのGPEI特異的バンドが検出されこれはTREでは競合されなかった。現在、これら蛋白質のクロ-ニングを試みている。 次のGSTーPのサイレンサ-に結合する蛋白質因子を2つ同定し、SFーA,SFーBと名づけたが、そのうち上流数ヶ所に結合するSFーAはほぼ単一に迄精製し、現在クロ-ニング中である。1ヶ所にのみ結合するSFーBはその配列を用いたSouthwestern法によりクロ-ン化に成功したが、その配列は驚くべきことに既知のエンハンサ-因子LAP(又はNFーIL6)と同一であった。この蛋白を大腸菌で発現させ精製して調べるとサイレンサ-へも、CRP遺伝子上流のLAP結合部位へも同様に結合した。従って、LAP/SFーBは状況や結合配列によって正にも負にも働き得る因子であることが判る。 最後に、GSTーP遺伝子と上流をCAT構造遺伝子に繋ぎ、受精卵に注入してトランスジェニックラットを作り、これらについて化学発癌実験を行なった所、発生した肝癌細胞にはすべてCATが強く発現していた。これは化学発癌過程におけるGSTーP遺伝子の活性化がここに用いた上流(-2.9Kb)のみで十分であり、ゲノム上の位置に無関係であることを示しており、肝癌を起こす遺伝子との関連はcisではなくtransであることを初めて証明したものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)