Project/Area Number |
03152032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 正幸 東京大学, 理学部, 教授 (40114706)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | 分裂酵母 / ras / GAP / 接合フェロモン / Gタンパク質 |
Research Abstract |
分裂酵母rasl遺伝子はこの酵母の性的分化、特に接合フェロモン認識の情報伝達において不可欠の役割をもち、アデニル酸シクラ-ゼ活性の調節には関わらない。rasタンパク質の分子機能の基本的性格を理解する手がかりを得る目的で、分裂酵母raslとその関連遺伝子を解析し、次のような新知見を得た。 1.ras1が活性化された場合と同様な、接合フェロモン超感受性の表現型を示す突然変異株を解析し、動物GAPの相同遺伝子gap1を単離同定した。分子遺伝学的な解析によると、分裂酵母のgap1はRas1タンパク質を負に制御する因子であって、Gap1タンパク質がRas1の下流でエフェクタ-機能を果たしている可能性は否定された。分裂酵母Gap1は766アミノ酸からなり、動物GAPやNF1あるいは出芽酵母のIra1・Ira2に比べてサイズが小さく、いわゆる触媒領域がその大部分を占めていた。ショウジョウバエのGAPがGap1よりさらに小さいことがごく最近示されたが、これら小型のGAPと大型のものとでは異なる活性調節を受けている可能性も考えられる。 2.Ras1のGDPーGTP交換因子をコ-ドするste6遺伝子について、その転写がcAMPカスケ-ドの支配下にあり、有性生殖系遺伝子の転写因子であるste11遺伝子産物によって、栄養源飢餓に呼応する形で転写調節されていることを明らかにした。また、Ste11は動物の雄性決定因子などにみられるHMGモチ-フをもち、TTCTTTGTTYを認識する二重鎖DNA結合タンパク質であることを示した。 3.ras1の標的側である結合フェロモン認識の情報伝達経路について、接合型特異的接合不能変異を解析してMーfactor受容体の遺伝子(map3)をクロ-ン化した。また、それと共役すると考えられるGタンパク質αサブユニットの遺伝子(gpa1)もクロ-ン化した。さらにそれぞれについて変異株を作製し、性格付けている。
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