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¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Research Abstract |
MAPキナ-ゼは,細胞周期のG_0/G_1期及びM期の細胞内シグナル伝達において機能するセリン/スレオニンキナ-ゼである。今年度,我々はM期におけるMAPキナ-ゼの活性化がM期開始のマスタ-制御因子であるMPF(M期促進因子)によって支配されていることを,Xenopus卵へのMPFのマイクロインジェクションと無細胞系システムによって明らかにした。また,MAPキナ-ゼは,自身のチロシン並びにスレオニン/セリン残基がリン酸化されて初めて活性化するユニ-クなキナ-ゼであるが,その直接の上流の活性化因子をXenopus M期卵から同定ー精製することに成功した。活性化因子は,分子量45Kのリン酸化蛋白質で,そのMAPキナ-ゼ活性化活性は,ホスファタ-ゼ2A処理により失活した。したがって,活性化因子もまたリン酸化を受けて活性化することが推定された。この活性化因子が本当に細胞内で機能していることを,精製活性化因子のXenopus卵へのマイクロインジェクションによって証明した。さらに,この活性化因子の活性化がMPFによって支配されていること,即ち,活性化因子がMPFからMAPキナ-ゼに至るリン酸化カスケ-ドを媒介する因子であること,を証明した。哺乳類培養細胞のG_0/G_1期で細胞増殖因子刺激でMAPキナ-ゼが活性化する場合の活性化因子についても,4段階のカラムクロマトグラフィ-により部分精製することに成功した。この哺乳類G_0/G_1期のMAPキナ-ゼ活性化因子は,上記のXenopus M期活性化因子と生化学的性質並びに物理化学的性質が非常に類似していた。この結果は,G_0/G_1期とM期のどちらにおいても,同一ないしは非常に近縁の活性化因子の活性化を経てMAPキナ-ゼが活性化することを示唆した。 M期のMAPキナ-ゼのタ-ゲットについて,我々の予備的実験で,有力な候補が見い出されている。現在,同定・精製を進めている。
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