HTLVー1感染Tリンパ球の機能異常,特にリンパ球ホ-ミング異常の分子機構の解明
Project/Area Number |
03152036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 昌之 (財)東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 室長 (50064613)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | HTLVー1 / リンパ球ホ-ミング / 細胞浸潤 / LECAMー1 / 成人T細胞性白血病(ATL) / HTLVー1ぶどう膜炎 |
Research Abstract |
本年度、我々はHTLVー1感染によって発症する第三の疾患としてHTLVー1ぶどう膜炎(uveitis)の存在を明らかにして報告した。この疾患は、血管炎と硝子体への細胞浸潤を中心とする病態を示し、臨床的にも他のぶどう膜炎とは異なる病像が明らかにされつつある。この疾患においては浸出細胞の中にHTLVー1感染細胞が常に検出され、炎症局所への感染細胞の浸潤が特徴的な病態として認められる。これは、本研究課題における仮説の妥当性を支持するものと考えられる(Mchizuki M et al,Jpn J Cancer Res,in press,Mochizuki M,et al,Am J Ophthalmol,submitted,Mochizuki M et al,J Infect Dis,submitted,Watanabe T et al,manuscript in preparation)。また、我々はATL腫瘍細胞におけるLECAMー1の構成的過剰発現と、Tリンパ球活性化刺激に対する発現調節異常を見いだした(Watanabe T et al,manuscript in preparation)。実験動物モデルとしてラットを利用するために、これまで同定されていなかったラットのLECAMー1のcDNAクロ-ニングを行い、その構造および発現の解析を行った。その結果、lectin binding domain,EGFーlike domain,CR repeatと言うドメイン構造がよく保存されており、全体としてアミノ酸レベルでマウスと90%、ヒトと84.4%の相同性を示した。mRNAの発現は、リンパ系の組織に認められること、活性化刺激により発現がdownーregulateされることなど、これまでヒトおよびマウスのLECAMー1について報告されているのと同様の発現様式が確認された(Watanabe T et al,BBA submitted)。更にこのcDNAを用いて可溶性のリコンビナント蛋白を作製し、これを抗原として各種の単クロ-ン抗体を作製し解析を進めている(Tamatani T etal,manuscript in preparation)。動物実験系に関しては、FITCで標識した細胞をラットに投与して免疫組織学的に組織分布を解析する系を確立した。これを用いて各種のHTLVー1感染ラットT細胞株の組織分布の解析と、LECAMー1を発現していないこれらの培養細胞に発現ベクタ-を用いてLECAMー1を発現させ組織分布に与える影響を解析中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)