Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
白血病の根治療法における自家骨髄移植(ABMT)の大きな問題は(1)hostの残存白血病と,(2)採取した骨髄細胞中に残存する白血病細胞の対策である。本研究では,後者について,温熱によるmarrow purgingについてさらに基礎的検討を加えると同時に,その臨床応用を企画し,下記の成果を得た。 1.白血病細胞株(HEL,HL60,KGー1,Moltー3)の熱(42℃,60ー120分)による殺細胞効果を,Limiting dilution assayで測定したところ,いずれの細胞もml当り4ー6log減少したが,正常造血幹細胞は僅か0.4log程度であった。 2.一方,加温時,インタ-フェロン(α)(IFN)(100∩/ml)添加すると,正常造血幹細胞の加温による殺細胞作用は保護され,白血病細のそれは0.5〜1.0log程度増強された。この正常細胞に対するIFNの保護作用は,熱ショック蛋白の誘導が想定された。すなわち,温熱とIFNの併用により,より効果的に白血病細胞を除去できると考えられる。 3.温熱とIFNの併用によるmarrow purgingの臨床応用では,1990年1月,リンパ性白血病の1例で最初に成功して以来,その後4例が追加され,3例が無病生存中である。 4.(1)に対する対策として,同種骨髄移植で認められる移植片対宿主病(GVHD)を期待して,3例に温熱処理によるABMT後,cyclosporinーinduced GVHDを試み,2例にGVHDの出現を確認した。ABMTにおいても,GVHDの誘導が有効であるか否か,さらに症例を重ね観察したい。
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