免疫遺伝子超可変部をマ-カとした2ステップPCR法による微量残存腫瘍の検出
Project/Area Number |
03152056
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 竜三 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70093002)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒沢 良和 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10109259)
福谷 久 名古屋大学, 医学部, 医員
久保 和明 名古屋大学, 医学部, 医員
直江 知樹 名古屋大学, 医学部, 助手 (50217634)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1991: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
|
Keywords | 急性リンパ性白血病 / cALL / 免疫グロブリン遺伝子 / 微量残存腫瘍 / CDR3 / 分子マ-カ- |
Research Abstract |
プレB細胞型急性リンパ型白血病(cALL)を対象として、以下の研究を行った。 1)20例のcALL細胞よりDNAを調整し、VH遺伝子に共通な配列とJHに共通な配列をプライマ-として用い、PCRにて免疫グロブリン超可変部(CDR3)のDNAを増幅した。それをM13ベクタ-に組み込み、配列を決定した。その結果、各々の症例におけるCDR3の多様性が確認された。また、DHやJH遺伝子の使用頻度の偏りや極めて少ない点突然変異は、B細胞成熟過程における免疫グロブリン遺伝子構成を反映したものと考えられた。 2)各々のCDR3DNA配列をプロ-ブとしたサザンブロットの、残存腫瘍検出感度ならびに特異性について検討した。正常細胞に対して10^<ー5>の混入が検出可能であり、このレベルでは、CDR3の配列は完全に腫瘍特異的であった。 3)cALL4症例における、臨床経過と残存腫瘍の推移について検討した。患者骨髄細胞は正常細胞と段階的割合で混合され、残存腫瘍の判定量が行われた。その結果、寛解導入療法後は10^<ー2>から10^<ー3>レベルの腫瘍が残るが、地固め療法中にさらに減少し、1例では検出感度以下となった。また、骨髄移植直後認められた微量残存腫瘍が移植後3ヶ月目に消失した症例も認められた。 以上より、CDR3を分子マ-カ-とした残存白血病の検出は、充分に実用的であると考えられる。今後、このような分子生物学的寛解の判定法を、地固め強化療法、免疫法、GVLなど、従来の形態学的診断では不可能であった分野での新しい評価法として、確立してゆきたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)