rasシグナル伝達系の標的となる新しい核内制御因子の遺伝子クロ-ニングと機能解析
Project/Area Number |
03152064
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
重定 勝哉 京都大学, ウィルス研究所, 助教授 (40009626)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 光生 京都大学, ウィルス研究所, 助手 (00212225)
|
Project Period (FY) |
1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 1991: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
|
Keywords | PEBP2 / ヘテロ2量体 / 転写制御因子 / ショウジョウバエ / 分節遺伝子 / cDNAクロ-ニング / 発生・分化 / Haーras |
Research Abstract |
マウスの転写制御因子PEBP2は、初期胚細胞株では検出されず分化誘導にともなって発現すること、発ガン遺伝子Haーrasの影響下に蛋白燐酸化を介する機能修飾を受けることなどの観察から、細胞分化・癌化との関連が注目される。さらにこの因子は、2種類のサブユニットα・βからなるヘテロ2量体であり、その分子構成の機能的意義についても関心がもたれる。本研究では、これらの問いを追求するために2つのサブユニットに対するcDNAをクロ-ニングし、構造機能解析を行った。その結果、DNA結合機能を直接担うのはαサブユニットであり、βサブユニットはαとの会合を通じてDNA・蛋白複合体を安定化ないし機能修飾する役割を果たすことがまず判明した。さらにホモロジ-検索を行ったところ、αサブユニットがショウジョウバエの分節遺伝子の一つのruntと相同であることが分かった。αとruntはともに、ロイシンジッパ-・Znフィンガ-・ホメオボックスなど既知の構造モチ-フを持たないことから、これら二つで新しい独自のDNA結合蛋白ファミリ-を成するものと考えられる。この発見によりαを中核因子として含むPEBP2が発生・分化と重要な関わりを持つ可能性がますます強まった。その具体的役割の一端を示すものとして、PEBP2結合配列はマウス白血病ウイルスのエンハンサ-やTリンパ球レセプタ-遺伝子のエンハンサ-に普遍的に存在しそれら遺伝子のT細胞特異的発現に関与していることが示された。今後、本研究で得られた新知見および実験的基盤の上に立って、PEBP2の役割の全体像を系統的に追究して行く予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)