ヒトリンパ球による新鮮自己腫瘍細胞の傷害機構、活性化機構とその生物学的意義
Project/Area Number |
03152068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内田 温士 京都大学, 放射線生物研究センター・晩発効果研究部門, 教授 (10185019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉江 勝治 京都大学, 放射線生物研究センター・晩発効果研究部門, 助手 (70226439)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | シグナル伝達 / 蛋白質チロシンリン酸化 / 生体応答修飾物質 / 自己腫瘍細胞傷害活性 / がん遺伝子 |
Research Abstract |
ヒトがん患者の腫瘍に対する免疫抵抗性を理解するには、患者自身の分離直後の腫瘍細胞に対する細胞傷害機構を明らかにすることが重要だと考えられる。本年度の研究で1)血液T細胞およびLGL(大顆粒リンパ球)による分離直後の自己腫瘍に対する細胞傷害活性と腫瘍細胞のDNA量(二倍体、異数体)との間には相関は認められなかった。また自己腫瘍細胞傷害活性とcーmyc、cーfos、rasを含むがん遺伝子の発現との間にも関係は見られなかった。腫瘍局所に浸潤しているリンパ球による自己腫瘍細胞傷害と腫瘍細胞のDNA量、がん遺伝子の発現との間にも有意の相関は認められなかった。2)T細胞を自己腫瘍細胞で刺激することにより樹立した自己腫瘍細胞傷害性T細胞クロ-ンはすべてT細胞抗原レセプタ-α/βを発現しており、CD4ーCD8+かCD4+CD8ーであった。これらのクロ-ンによる自己腫瘍細胞の傷害は多くの例でα/βおよびCD3に対する抗体で阻止されたが、約30%の例では阻止効果は見られなかった。3)YTAー1抗体刺激によりリンパ球の42kDの蛋白質チロシンリン酸化が誘導され、腫瘍浸潤リンパ球は自己腫瘍特異的細胞傷害活性を獲得した。対照的にILー2刺激では異なるリン酸化がみられ、非特異的細胞傷害が誘導された。4)がん患者の手術時の血液リンパ球の自己腫瘍細胞傷害活性は独立した予後決定因子であることが確認されたが、腫瘍浸潤リンパ球の自己腫瘍細胞傷害活性と患者の術後無再発期間及び術後生存期間には有意の相関は見られなかった。5)BRM(生体応答修飾物質)を手術前に投与することにより肝細胞癌患者に自己腫瘍細胞傷害活性を誘導を試みたところ、血液T細胞またはLGLが自己腫瘍細胞傷害能を獲得した症例では術後無再発期間および術後生存期間が著明に延長した。またこの活性は他の免疫パラメ-タ-とは無関係であった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Publications] Uchida,A.,Kariya,Y.,Okamoto,N.,Kihara,T.,Inoue,N.and Sugie,K.: "Biological significance of autologous tumor killing activity in human cancer patients and its modulation by biological therapy.In:Chemoimmuno Prevention of Cancer" U.Pastorino and W.I.Hong,eds.,Thime Medical Publishers,New York.9-13 (1991)
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[Publications] Uchida,A.,Kariya,Y.,Inoue,N.,Okamoto,N.and Sugie,K.: "Biological significance of autologous tumor killing.In:Tumor Immunology." Goldfarb,R.H.,and Whiteside,T.L.,ed.,Marcl Dekker,New York.(1992)
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