Project/Area Number |
03152074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三好 淳 大阪大学, 微生物病研究所・発癌遺伝子検索細胞センター, 助手 (80166214)
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Project Period (FY) |
1990 – 1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
Fiscal Year 1991: ¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
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Keywords | cotがん遺伝子 / SHOK細胞 / DNAトランスフェクション / プロティンキナ-ゼ / 分子生物学 |
Research Abstract |
マウスNIH3T3細胞とは異なる性質を有するがん遺伝子検索細胞としてSHOK細胞系を確立し、約150例のヒトおよびマウス腸瘍DNAを用いて、新たながん遺伝子を検索した。その結果、ヒト甲状腺癌細胞、ヒト大腸癌組織および遺伝性マウス肉腸組織の3例から、独立にcotがん遺伝子を検出した。これらは、SHOK細胞に対してNIH3T3細胞より高い形質転換能を示し、その遺伝子構造と機能を解析することは、SHOK細胞の有用性を理解する上で重要と思われた。 ヒト甲状腺癌由来のcotがん遺伝子cDNAは、protein kinase群遺伝子と43ー45%の類似性を有する分子量52kDの蛋白をコ-ドしていた。cDNA塩基配列をもとに作成した合成ペプチドに対する抗体を用いてin vitroの自己リン酸化活性を検出し、cotがん遺伝子が、mos,raf,pimlに続く第4のserine/threonine protein kinase系がん遺伝子であることを明らかにした。また、ヒト胎盤DNAからcot protoーoncogeneをクロ-ニングし、exon領域のDNA塩基配列を比較した結果、cotがん遺伝子では第6coding exon内でのrearrangement、大腸癌由来のCTー12 cotでは第7exon領域の欠損が見いだされた。いずれの場合にも、正常cot遺伝子産物のC末端側でtruncationが生じており、cotがん遺伝子の活性化は、この領域に局在するkinase活性制御domainの機能欠損による可能性が考えられた。 実験マウスを用いて発癌過程におけるcot遺伝子の関与を解析する目的で、マウスcot遺伝子のゲノムDNA及びcDNAをクロ-ニングした。マウスcot遺伝子は、ヒトcot遺伝子と93.3%の類似性を示す467アミノ酸の蛋白をコ-ドし、exon/intron境界部は両者で完全に一致した。また、成熟マウスでは、胸腺、脾臓、甲状腺の3つの臓器で発現が認められた。今後、gene targeting等の手法を用いて詳細な解析を続けたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)