Project/Area Number |
03152082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 文三 大阪大学, 医学部, 助教授 (30124770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 圭史 大阪大学, 医学部, 教授 (70028299)
笠山 宗正 大阪大学, 医学部, 助手
古賀 正史 大阪大学, 医学部, 助手 (00186652)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | アンドロゲン / エストロゲン / ヘパリン結合性増殖因子 / FGF受容体 / ロイコトルエン |
Research Abstract |
アンドロゲン依存性マウス乳癌由来SCー3細胞と、エストロゲン依存性マウス睾丸間質細胞腫由来Bー1F細胞の無血清培養系をもちい、性ホルモン依存性癌増殖の分子機構を検討した。アンドロゲン刺激によりSCー3細胞が持続的増殖を示すためには、少なくとも2つの遺伝子の発現が必須であることが判明した。一つはヘパリン結合性増殖因子である。この構造が決定され、FGF受容体ーIに結合し得ることが判明した。しかし、この増殖因子のみでは、アンドロゲン刺激でみられる持続性増殖は生じず、増殖刺激活性は一過性であることが判明した。持続性増殖に必須の他の遺伝子の同定は今後の問題として残された。又、SCー3細胞のFGF受容体ーIには3ヶ所の変異があること、この受容体のmRNAは、アンドロゲンやbFGFの刺激により増加することが明らかとなった。このmRNAの増加はbFGF感受性細胞であるNIH3T3細胞(非癌細胞)では認められない。そこで、FGF受容体ーI遺伝子のプロモ-タ-領域の塩基配列を決定した。このプロモ-タ-領域の塩基配列を決定した。このプロモ-タ-領域の塩基配列は両細胞間で差がなかった。この遺伝子の発現に関与する転写因子に相違があると推論できる結果である。又、この増殖因子の活性とFGF受容体ーIの発現は、スラミンにより強力に抑制されることも判明した。一方、Bー1F細胞のエストロゲン依存性増殖は、ロイコトルエンの合成低下を介して生ずることがあきらかとなった。更に、ロイコトルエンが増殖抑制因子であり、この阻害効果はロイコトルエンD_4受容体を介して生じることが判明した。 以上の結果より、アンドロゲン及びエストロゲン依存性癌増殖は、オ-トクリンル-プにより制御されていること、この機構に関与する分子とその発現機構が明らかとなってきた。
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