悪性脳腫瘍に対する免疫療法ー脳内免疫担当細胞の分子生物学的解析とその臨床応用ー
Project/Area Number |
03152083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早川 徹 大阪大学, 医学部, 教授 (20135700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 惠司 大阪大学, 医学部, 講師 (50162699)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1991: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | グリオ-マ / 髄芽腫 / 養子免疫療法 / インタ-フェロン / 癌遺伝子 / ILー2 / モノクロ-ナル抗体 / HLA |
Research Abstract |
過去5年間に、悪性グリオ-マ患者に対して行なわれた養子免疫療法は、合計35症例に達し、治療終了後87カ月間再発していないmeningeal carcinomatosis患者や、58カ月間も再発の無い神経膠芽腫患者をはじめ10数名の外来通院患者が得られている。最近では、各種in vitroテストにより制癌剤に反応しない患者に、LAK細胞を用いた局所養子免疫療法を6カ月毎繰り返し、制癌剤による維持療法と同程度かあるいはそれ以上の成績を得ている。この様に、リンパ組織が皆無で、主要組織適合抗原が存在しない脳内に発生した悪性グリオ-マに免疫療法を行なうには、能動免疫を期待した治療方法により、養子免疫療法の方が有用であると推測される。一方、わが教室では、既に30以上のグリオ-マ株を樹立しており、その中には世界中で未だ10株も樹立できていない髄芽腫細胞株を2株も樹立できている髄芽腫は、発症早期に髄腔内播種をきたし、四肢麻痺から死亡する事が多く、この病態を治療するために考えられた髄芽腫播種モデルの作製にも成功している。そして、ヒト髄芽腫細胞に対するマウスモノクロ-ナル抗体もすでに作製できており、髄腔内に浮遊する髄芽腫細胞とリンパ球との鑑別診断に用いている。また、髄芽腫関連抗原の抽出とその同定を試みると共に、髄芽腫細胞の神経系あるいはグリア系への分化誘導と、腫瘍関連抗原の表現性や癌遺伝子動態について検索中である。今後、この神経系に分化しているヒト髄芽腫細胞(ONSー76やONSー81)は、インタ-フェロン・ガンマにてHLAーDR抗原やHLAーABC抗原を表出あるいは増強しているので、髄芽腫細胞の分化と、IFNーβ、ーγおよびIRFー1、ー2遺伝子発現との関連についても検索すると共に、ヒトoligodendroglioma細胞上に存在するILー2レセプタ-の同定(Proc Natl Acad Sci USA 87:6584ー6588,1990)と、その情報メカニズムについて研究を行なう予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)